「大規模リストラ」報道の千趣会が安値更新 MBO画策のワタベはストップ高に:株価の明暗分かれる
10月25日の東京株式市場で千趣会の株価が続落し、年初来安値を更新した。前日に『日経電子版』が、大規模なリストラを行うと報じていた。一方、同誌がMBOを検討していると報じた、ワタベウェディングはストップ高まで値を上げた。
10月25日の東京株式市場で、通販サービス「ベルメゾン」を運営する千趣会(東証1部)が大幅続落。午前11時26分には、前日比44円安(−11.8%)の330円を付け、年初来安値を更新した。午前の取引を終えた時点での株価は、43円安(−11.5%)の331円。
ベルメゾンがEC(インターネット通販)サービスに押されている影響で、千趣会は2017年12月期(17年1〜12月)の連結業績が、約111億円の最終赤字に転落。今期も不振に陥っており、18年1〜6月期の連結業績は約12億円の赤字となっている。
こうした状況を受け、前日の取引終了後に『日本経済新聞(電子版)』『日経ビジネスオンライン』が、千趣会が大幅なリストラに踏み切ると報道。星野裕幸社長が退任するほか、大阪市の本社を売却し、数百人程度の希望退職者の募集も始めると報じていた。
これに対し、千趣会は24日に「当社が発表したものではございません。当社では業績改善に向けて様々な可能性を検討しておりますが、現段階におきまして、決定している事実はございません」とのコメントを出したが、株式市場では報道内容を嫌気した売りが相次いでいる。
ワタベウェディングはストップ高に
両誌はさらに、千趣会が約26%を出資して筆頭株主となっている、老舗婚礼会社のワタベウェディングがMBO(経営陣による企業買収)を検討していると報道。
現在は渡部秀敏会長が取締役会でMBOを提案したものの、千趣会側が反発し、取締役会の内部で対立が起きている状況だとしている。
報道を踏まえ、ワタベウェディングは25日に「当社の企業価値や株主価値の向上に資するさまざまな選択肢を多面的に検討しているところではありますが、現時点において決定した事実はありません」とのコメントを出している。
だが、報道が好材料視され、25日の株式市場で同社(東証1部)の株価は急騰。午前の取引を終えた時点で、値幅制限の上限(ストップ高)となる620円(前日比100円高、+19.2%)まで上げている。
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