若者に人気のレモンサワーが“第2のハイボール”になりそうな3つの理由:飲食店にもメリット(4/5 ページ)
レモンサワーが若者を中心に受けている。メーカーや飲食店もこぞって新商品を投入しているが、単なるブームに終わらず、“第2のハイボール”としての地位を確立できるか。
レモンサワーは定着フェーズへ
今後もレモンサワーの需要は伸び、ブームは続いていくと予想される。このレモンサワーブームは、ハイボールがブームとなって料飲シーンに定着したことで、ウイスキー消費のV字回復をけん引した際の状況に非常に似ている。ハイボールは“おやじくさい”という印象を、誰もが憧れる女優を起用することで払拭し、若者の間でブームとなった。その後、ハイボールは老若男女問わず愛飲されている定番ドリンクになっている。
また、サントリー酒類が09年にハイボールで「外食アワード」(外食産業記者会主催)を獲得しているが、レモンサワー関連商品を続々と発売してブームの立役者となった宝酒造も17年に「レモンサワー」で同賞を獲得している。レモンサワーは今後、一過性のブームで終わらず、どこでも飲むことができる定番ドリンクとして定着していくだろう。
さらにその先は、レモンだけではなくさまざまなかんきつ系を中心としたフルーツのサワー、またはお茶で割った茶割など、おなじみの味で低糖質かつ飲みやすいアルコール飲料に注目が集まるのではないかと予測する。
外食業界の発展を目的に活動を続ける筆者としては、レモンサワーがブームになるだけなく、レモンサワーブームをきっかけに若者の愛飲者が増え、若者のお酒離れに歯止めをかける結果になることを願っている。レモンサワーのことばかり考えていたら、レモンサワーが飲みたくなってきたので、そろそろレモンサワーを求めて街へ繰り出そう。
著者プロフィール
有木 真理(ありき まり)
「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員。1998年、同志社大学を卒業後、外食チェーン店へ。6年間勤務したのちに、フリーのフードコーディネーターに。2003年、リクルートに入社し、『ホットペッパーグルメ』に従事。全国の営業部長を経たのち、2017年、リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、「ホットペッパーグルメ外食総研」の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300回以上。ジャンルは立ち飲み〜高級店まで多岐にわたり、全国の食に詳しい。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。食を通じて「人」と「事」をつなげるイベントオーガナイザーも務める。自らが「トレンドウォッチャー」として情報発信を行う。
関連記事
- マツキヨのエナジードリンクが、たった1日で10倍も売れた秘密
マツキヨのPB商品「エナジードリンク」が売れている。2017年12月に発売したところ、あっという間に火が付き、売り上げが伸びているのだ。「マツキヨ=エナジードリンク」のイメージは強くないのに、なぜヒットしたのか。同社の仕掛人に聞いたところ……。 - 回転すしの厨房はどうなっている? くら寿司で働く若きリーダーに見せてもらった
大手回転すしチェーンは安くてうまいすしを迅速に提供することで成長を続けてきたが、そのビジネスを支える厨房はどのようになっているのだろうか。くら寿司の新店オープンを次々と手掛ける若きリーダーに話を聞いた。 - 業界3位に躍進した「日乃屋カレー」 リピーターを生む味の原点は“昭和の町中華”
2011年に創業した日乃屋カレーが店舗数を増やし、業界3位に躍進した。家庭的な“ジャパニーズカレー”で、甘辛い味が特徴。急成長の秘密とは? - 東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密
平日の昼。毎日同じようなモノを食べていて、飽きているビジネスパーソンも多いのでは。そんなランチ難民とも言える人を救うかもしれないサービスが登場している。フードトラックと空きスペースがあるオフィスビルをマッチングさせるサービスで、そこで提供されるランチを利用する人が増えているのだ。 - 「クリスピー・クリーム・ドーナツ」がどん底から復活した、3つの理由
クリスピー・クリーム・ドーナツがどん底にあえいでいた。業績が低迷し、地方の店舗を中心に閉店。「日本から撤退するのでは」などと言われていたなかで、ここにきて復活の兆しがでている。4期ぶりに増益を確保した理由を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.