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ICOに代わる資金調達手段「ILP」とは何か?blockhive創業者に聞く(3/6 ページ)

2017年から大ブームとなっている、仮想通貨を使った資金調達手段ICO。一方で、規制が追いついていない面もあり、詐欺なども横行している。法律が未整備なICOに代わり、資金の貸し付けをブロックチェーンを使って電子的に行うとどうなるのか? これを実現したエストニアの企業、blockhiveの創業者に話を聞いた。

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 一方で、ICOの問題点もここにある。多くのICOは、プロダクトがまだ存在しない段階で実施するため、資金は集まったもののプロジェクトに失敗し、投資した資金が回収できなくなる場合が多々ある。さらには予定された資金が集まらずプロジェクトが始動できない、開発は行えたが想定どおりに進まず、配布したコインが取引所に上場できないなど、失敗はいろいろだ(「ICOは詐欺案件だらけ? 800以上の仮想通貨が「1セント以下」に」の記事参照)。

 こうした中には、最初から資金だけ集めてプロジェクトを実行するつもりのないもの、つまり詐欺の案件も多数含まれている。いくつかの調査によると、7割以上が詐欺で、プロジェクトが継続しており成功に分類されるのは全体の15%程度だというレポートも出ている。

 こうした状況を踏まえて、各国は投資家保護の観点からICOの規制に動いている。完全にICOを禁止した中国や韓国がその筆頭だ。ICOで調達した資金の扱いについても、解釈は完全に定まっていない。例えば、ICOで調達した資金は売上として計算されるという見方もあり、その場合、多額の法人税支払いが発生することになる。

 「ICOで調達した資金が売上になるとしたら法人税がかかる。投資家から調達した資金の40%が税金で持っていかれる可能性がある。10億円調達して4億円もっていかれるという矛盾がある」(日下氏)

ICOに代わる資金調達手段、ILPとは?

 ICOが事業の資金調達手段として大きな可能性を秘めている一方で、規制や会計上の扱いは流動的で不透明であり、まだ大きな課題を残している。ならば、すでに確立された資金調達手段を、ブロックチェーン技術を使って進化させるとどうなるか。その答えの一つが、blockhiveが行ったILC(Initial Loan Procurement)だ。ICOが投資なら、仮想通貨での貸し付けを募集するのがILPになる。

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