2015年7月27日以前の記事
検索
インタビュー

ICOに代わる資金調達手段「ILP」とは何か?blockhive創業者に聞く(4/6 ページ)

2017年から大ブームとなっている、仮想通貨を使った資金調達手段ICO。一方で、規制が追いついていない面もあり、詐欺なども横行している。法律が未整備なICOに代わり、資金の貸し付けをブロックチェーンを使って電子的に行うとどうなるのか? これを実現したエストニアの企業、blockhiveの創業者に話を聞いた。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 「貸し付けとなると、世界中に既存の法律が存在する。契約書なしではお金の貸し借りはできない。しかし契約書を紙でやろうとすると、フォーマットが違い、紙のやり取りにも時間がかかる。書類が存在する以上は時間とコストはなくせなかった。これをなくした仕組みがILP」(日下氏)

 この貸し付けの契約に電子IDとブロックチェーン技術を使うことが、ILPの特徴だ。

 まずローン契約は、エストニアの弁護士集団が立ち上げた企業、Agrelloのサービスを使って電子的に行い、ブロックチェーンに記録する。パスポートとPCやスマホのカメラを使って顔写真を撮影することで、KYC(本人確認)を行い電子IDを発行。それを使い債権契約に電子的に署名することで、契約を結ぶようになっている。こうした電子的な契約は、すでにエストニアでは一般的に行われているという。


Agrelloの本人確認の仕組み。パスポートなどのIDカードと顔写真を使い、電子的に確認を行う。海外の仮想通貨取引所のKYCで最近よく見かけるようになった方式だ

エストニアのeIDカード。エストニアでは、契約への署名はeIDカードと暗証番号を通じて電子的に行うのが一般的だという。法人間の契約でも、代表者が自分のeIDカードを使って電子署名を行う

 貸し付けはイーサリアムを払い込むことで行われ、利息の払い出しも、イーサリアムのスマートコントラクトを使い自動的に支払われる。いわば、従来紙で結んでいた契約書を、ブロックチェーン上で処理できるようにしたことで、手続きを高速化し、さらに小口であっても処理を容易にした。

 さらに契約時にトークンを発行することで、単なるブロックチェーン上の電子契約から一歩進んだ機能を提供した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る