「電子文書」と「電子化文書」は全く違う! ペーパーレス化の注意点とは?:デジタル化で業務効率アップ(1/3 ページ)
ペーパーレス化に取り組む企業が増えていますが、「電子文書」と「電子化文書」の違いを知っていますか? 法律で定められた保存方法などが大きく異なります。今回のその違いについてご紹介します。
業務効率化を目的として文書の電子化を推進する企業や組織が増えています。文書を電子化することにより、書類の印刷・管理コストの削減や、データによる情報検索性の向上など、従来の紙主体の業務と比べて効率化を図ることが可能となります。
文書を電子化する方法は大きく分けて「電子文書」と「電子化文書」の2種類があります。名称は似ていますが、その性質は全く異なります。今回は、電子文書と電子化文書の違いについて、その作成方法や特徴、関連する電子帳簿保存法やe-文書法にも触れながらご紹介します。
電子文書と電子化文書の違い
電子文書とは
電子文書とは、ソフトウェアで作成し保存された文書のことを指します。WordやExcelで作成した文書の他、CAD、会計ソフトなどで作成したデータがこれに当たります。
2005年に施行されたe-文書法により、紙での保存が義務化されていた、取引の証拠となるような国税関係書類、すなわち契約書や請求書といった書類についても、データとして保存することが可能となりました。国税関係書類の電子保存は、e-文書法で規定された改ざん防止や検索に関する要件を満たす必要があるため、これに対応したソフトウェアで作成し、対応した形式に変換して保存する必要があります。一般的にはEDIやVANと呼ばれるソフトウェアやサービスにより、これらの電子文書での取引や保存、管理を行うことが可能です。
電子化文書とは
電子化文書とは、紙の文書として作成されて取引先から受領した書類を、スキャナーなどの機器を使い電子データとして保存したものを指します。一般的には「スキャナー保存」として知られる方法で文書をデータ化したものです。国税関係書類をスキャナー保存する際には、保存要件が細かく規定されており、それを始めるためには所轄の税務署への申請も必要となります(詳細は後述)。
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