15兆円を目指すスポーツ市場、何を増やすのか?:観戦ビジネスの強み(2/3 ページ)
日本の成長戦略の一環として、スポーツ市場を2025年までに15兆円の市場規模を目指すらしい。2012年時点の市場は7兆円(公営ギャンブルを除く)だが、何をどのようにして増やすのか。
米国の3分の1?
この数値を見ると、小売りは米国の4兆5000億円に対し、日本が約1.7兆円、スポーツ施設は米国の約6兆円に対して日本は約2兆円、ちょうど約3分の1の規模になっている。
実際、米国のスポーツ小売市場のシュリンクは日本以上だと言われており、Sports Authorityが2016年に倒産し、それ以降もスポーツ小売市場は減少の一途をたどっている。
注目は、米国のスポーツ観戦の市場だろう。プロスポーツ、大学スポーツの観戦スポーツの収入だ。この中には、競馬場も入っているので考慮すべき部分ではあるが、日本のスポーツの興業が約0.3兆(こまかい分類定義は不明)であるのと相当違う。
実際に、各プロスポーツの観客動員数を見てみると、米国のメジャーリーグベースボールは、年間7300万人を集客している。もっとも野球だけを比べれば、日本のNPBも年間約2500万人を集客し、約3分の1と水準を守っている。
問題はそれ以外で、バスケットボールの年間約2100万人、ホッケーリーグの2100万人、アメリカンフットボールの年間約1700万人、メジャーリーグサッカーでも約800万人を集客している。ちなみに日本のJリーグは約550万人とこちらは検討している。
驚くべきは、大学スポーツで、大学アメリカンフットボールは年間約5000万人、大学バスケットボールが約3200万人となっている。日本では考えられない数字だ。一部6大学野球などの人気リーグはあるものの、観客は関係者が多く占める。
ここにリストアップされた人数だけでも、延べ人数、2億人を超えている。これ以外にも、ゴルフ、テニス、バレーボール、陸上、ラグビー、モータースポーツなど、米国で人気のスポーツは数えきれない。いかに米国の生活の中に、スポーツ観戦がなじんでいるかの証明だ。
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