日本郵船が赤字転落 日本貨物航空の「不適切整備」、コンテナ船の不調響く:通期でも60億円の赤字を予想
日本郵船が2018年4〜9月期の連結決算を発表。純損益が97億9500万円の赤字に転落した。通期でも60億円の赤字を見込む。
日本郵船が10月31日に発表した2018年4〜9月期の連結決算は、売上高が前年同期比14.0%減の9156億7000万円、営業損益が41億9400万円の赤字(前年同期は127億4100万円の黒字)だった。純損益は97億9500万円の赤字(前年同期は62億9100万円の黒字)に転落した。
7〜9月期に特別損失を計上
航空運送事業を手掛ける子会社の日本貨物航空が、貨物機と鳥が衝突する事故などが起きたにもかかわらず、不適切な整備しか行わずに運航を続けていたことが7月に発覚。
国土交通大臣から「航空輸送の安全の確保に関する事業改善命令及び業務改善命令」を受け、整備が不十分だった「ボーイング 747-400F」を運行機材から外すなどの措置を取ったため、航空機と予備エンジンの減損損失と機体の検査費用が計約120億円発生し、7〜9月期に特別損失として計上した。
また、コンテナ船事業を手掛ける持分法適用会社のOcean Network Expressの運航効率も向上せず、出資比率(38%)に相当する約80億円の損失を営業外費用として7〜9月期に計上した。
また、投資有価証券を売却して約125億円の特別利益を同期に計上し、損失の一部をカバーした。
通期予想でも赤字転落へ
これらを踏まえ、同社は19年3月期通期の連結業績予想を下方修正。純損益が従来予想から180億円減り、60億円の赤字(前年同期は201億6700万円の黒字)に転落する見込みとする。
Ocean Network Expressのさらなる収支の悪化が見込まれる点も、通期の純利益予想を下方修正する一因という。
売上高は従来予想から450億円増の1兆8100億円(前年同期は2兆1832億円)、営業利益は35億円増の55億円(前年同期は278億2400万円)と上方修正する。
物流事業と、ドライバルク(ばら積み貨物船)やタンカーで輸送する不定期専用船事業が堅調に推移しているほか、航空運送事業では健全性が確認された機体から運航を再開していることから、通期の売上高・営業利益は従来予想からやや改善すると見込む。
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