大阪勢が東京に“殴り込み” 過熱する高級食パン戦争:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/7 ページ)
大阪でスタートした高級食パン専門店が東京に進出してきている。一方、東京でも高級食パン専門店が次々とオープンしている。過熱する高級食パン戦争の行方は?
一本堂も東京進出
一本堂は13年3月、大阪市都島区に1号店をオープン。1日に400斤が売れる人気店となり、高いリピーター率で経営も安定。14年に東京進出を果たし、主に首都圏で急速に店舗数を伸ばしている。
現在の店舗数は全国105店。1都3県に約半数の53店があり、乃が美の12店に大きく差をつけている。出店戦略においては、乃が美が今まで戦略的に狙わなかった盲点を突いている。銀座のような家賃の高い場所ではなく、住宅街にじわじわ店舗を伸ばしてきた印象だ。値段も若干安い。
耳はパリッと香ばしく中はふんわりもちもちした「一本堂」(280円)、スープやシチューに合う「ホテル食パン」(380円)、厚切りトーストに最適な「高密度食パン」(340円)、国産小麦だけを使ったトースト向きの「日本の食パン」(360円)という4種類の食パンを軸に展開している。また、趣向食パンの「カフェオレ食パン」、「ちーず」、「れーずん」、そして高機能食パン「低糖質」を加えた計8種類を販売している。あとは5種類の国産素材を使ったジャムがあるだけだ。
食パンとジャムのみの販売という点では乃が美と同じだが、生食専用には手を出さず、趣向食パンや高機能食パンがあるのが特徴。はちみつ、卵、イーストフードは使っていない。油脂はトランス脂肪酸がほとんど含まれていないマーガリン、無塩バター、有塩バターを使っている。
昭和の時代、町中に米屋があったように、焼きたてのおいしいパン屋を身近にしたいとの思いで、FC展開を進めている。2等立地、3等立地でも成り立っており、他の高級食パン専門店とは狙う商圏も異なっている。
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