まるでアイドルのコンサート? QBハウスの競技会がすごかった:報道陣に初公開(2/5 ページ)
QBハウスを運営するQBネットHDが全国の店長会とカットコンテストを報道陣に初公開した。コンテストはまるでアイドルのコンサート並に盛り上がりを見せたが、なぜ同社はこのタイミングで公開したのだろうか。
同じエリアの選手を応援
“選手入場”のシーンではお祭りのようなにぎやかさだったコンテストだが、選手全員が登壇すると雰囲気は一変。選手たちは、使用するハサミやスプレーなどを真剣にチェックし、競技に備えていた。競技がスタートすると、自分たちと同じエリアの選手を応援する声で再び会場は騒がしくなった。しかし、途中からは応援する側も選手の手先を熱心に観察し始め、そのテクニックについて口々に“講評”しあっていたのが印象的だった。
記者も選手を観察して気付いたことがある。「規定スタイル」や「スポーツ刈りスタイル」では、最終的に同じ髪形に仕上げるはずなのに、ハサミを入れる順番や位置が選手によってバラバラなのである。改めて、理容・美容というのは職人芸の世界なのだと感じさせられた。
コンテストに参加するのはQBハウスの従業員だけではない。海外店舗や国内の新業態店「FaSS(ファス)」の従業員も混じっていた。
10年勤続で表彰された従業員が95人
今回のイベントでもう1つ印象的だったのは、10年勤続で表彰された従業員が95人、20年勤続の従業員が4人いたことである。
2011年までQBネットHDは50%という高い離職率に悩まされており、「就労環境がよくない」と批判されていたこともあった。そこで、同社の北野泰男社長は、閉店後に行っていた無給の技術教育を廃止するなどして、職場環境の改善に取り組んできた。現在、グループの従業員は2000人を超えているが、離職率は8%台にまで低下したという。
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