中小・ベンチャーの約4割はシステム開発時に「契約トラブル経験あり」 契約内容を「理解していなかった」人は3割:「10回以上」経験した企業も
法務関連サービス開発などを手掛けるGVA TECHがこのほど、ソフトウェア・情報サービス業の中小・ベンチャー企業での契約トラブルについて行った調査結果を発表。多くの企業が契約トラブルに巻き込まれている実態が浮き彫りとなった。
法務関連サービス開発などを手掛けるGVA TECH(東京都渋谷区)がこのほど、ソフトウェア・情報サービス業の中小・ベンチャー企業での契約トラブルについて行った調査結果を発表した。38.9%がシステム開発のプロジェクトにおける「契約先とのトラブル経験あり」と回答し、多くの企業が契約トラブルに巻き込まれている実態が浮き彫りとなった。
契約トラブル経験回数については「2〜5回未満」が19.4%と最多で、次いで「10回以上」(8.3%)、「1回」(6.1%)、「5〜10回未満」(5.0%)という結果だった。
トラブルの原因は「納期の遅れ」(28.5%)が最も多く、「成果物の質」(26.9%)、「責任の所在」(16.9%)、「金額」(15.8%)、「人間関係」(11.0%)――と続いた。
契約内容について全て理解していたか聞いたところ、「全く理解していなかった」(13.9%)、「あまり理解していなかった」(20.6%)と、およそ3割の人が契約内容を理解しないままプロジェクトに取り組んでいた実態も明らかとなった。
また、社外と契約を結ぶ際に契約書を誰が確認しているかについては、「自業務の責任者」(39.4%)や「事業部の案件担当者」(34.4%)、「社長」(24.4%)と回答した人が多く、「法務部員」(13.9%)、「社外の弁護士」(6.7%)、「社内の弁護士」(6.4%)などの法務専門家が確認している企業は少ない現状も浮かび上がった。
同社は「約4割弱の企業が契約締結までに1カ月以上かかると回答しており、契約手続きの長期化がビジネスの遅延や案件失注などにつながることも分かった。契約トラブル回避のためにも、契約書確認や内容理解を徹底し、迅速な契約締結を行うことが重要だ」とコメントしている。
調査は11月13〜14日にかけて、ソフトウェア・情報サービス業の中小・ベンチャー企業に従事する360人を対象にインターネット上で実施した。
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