コンサル業界で「残業が少ない企業」ランキング 1位は「午後6時退社」も可能な……:カルチャーの改善進む
コンサルティング業界で月間残業時間が最も少ない企業は? 転職サイト「キャリコネ」などを運営するグローバルウェイが調査結果を発表。業界全体で、残業や休日出勤が当たり前のカルチャーが変わりつつあることがうかがえた。
コンサルティング業界で月間残業時間が最も少ない企業は? 転職サイト「キャリコネ」などを運営するグローバルウェイが調査した結果、1位は日本アイ・ビー・エムで29.8時間だった。以前は残業や休日出勤が当たり前のカルチャーだったが、近年は大きく変わったという。
社員からは「プロジェクトやチームによって異なるが、基本的には、帰ろうと思えば午後6時に帰れる。自分の仕事をしていて、チーム全体の仕事量が多くなければ、何も言われない。残業すると評価が上がる、早く帰ると評価が下がる、ということは全くなかった」との意見が寄せられた。
2位はアビームコンサルティング(39.0時間)。プロジェクト次第ではあるものの、「36協定」を順守するよう注意喚起したり、「ノー残業デー」を設定したりと、労働時間の改善を進めているという。
社員からは「プロジェクト期間中は長期休暇を好きに取れる風土ではないが、プロジェクトの合間には2週間以上休むことも可能なので、有給休暇の消化率はそこまで悪くない」との声が挙がった。
3位はアクセンチュア(41.1時間)。かつては“激務”の印象が強かった同社だが、近年は働き方改革が進んでいるといい、「『プロジェクトが忙しいから残業が長引く』という言い逃れすら許されない雰囲気になっており、大きな改善だ」「『どのようにしたら生産性の高いスマートな働き方ができるのか』といった情報が毎週配信されている」といった意見が出た。
4位は野村総合研究所(残業44.0時間)。同社も風土・体制の改善が進んでおり、「残業が40時間を超えると上司との面談が設定される」「持ち帰りで家で働くのは3カ月に1回程度」という。
5位はデロイト トーマツ コンサルティング(64.0時間)。「会社として是正する取り組みを少しずつ進めている様子はみられる」「休日に仕事をした場合も代休が取れるので、いいと思う」との声があった。
調査は『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)の業種区分を参考に、2017年4月1日〜18年3月31日に「キャリコネ」に正社員として登録しているユーザーから給与・残業情報が20件以上寄せられた企業をランキング化した。
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