2015年7月27日以前の記事
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ファーウェイのスマホは“危険”なのか 「5G」到来で増す中国の脅威 (4/5)

米国が中国・ファーウェイの通信機器を使わないように友好国に要請していると報じられた。なぜファーウェイを排除しようとするのか。本当に「危険」なのか。その背景には、次世代移動通信「5G」時代到来によって増大する、中国の脅威があった。

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5G時代の覇者を巡る「インターネット冷戦」

 5Gとは超高速のシステムで、現在の4Gの100倍とも言われる速度での通信を可能にする。5Gの時代には、IoT(モノのインターネット)で、ありとあらゆるものがインターネットにつながることになる。今以上に便利な世の中になることは間違いないのだが、5Gでネットワーク化が急速に拡大すると見込まれる中で、欧米政府が中国製品を排除する方向に動くのは当然だと言える。

 筆者は少し前に、米政府機関で対外政策を担当してきた元高官と話をする機会があった。その際、元高官は繰り返しファーウェイがいかに安全保障に脅威であるかを語っていた。そしてこのままでは、5Gの時代の覇者は中国になりそうだ、と。

 なぜなら、現時点でモバイル・インフラなどの5G関連機器などのシェアは、安価に機器を売りさばいているファーウェイなど中国勢が優勢だからだ。5Gで何でもネットに接続される世界になり、その通信機器など多くが中国企業の製品ならば、何が起きるのかはすでに述べた通りだ。中国政府が自在にネットワークを「支配」できてしまうことになりかねない。元高官はそれを恐れていた。

 そうした背景から、米国は同盟国を巻き込んで、この分野で対中国の攻勢に出ている。最近報じられた、ファーウェイ製品を使わないよう米国が日本やドイツに要請しているというニュースはまさにこの流れである。しかも米国はこの要請をするために、少し前に布石を打っていた。

 米国は「ファイブ・アイズ(米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)」と呼ばれる国々との間で諜報活動を共有する協定を結んでいるが、今年に入ってからは、中国の動きについて米国諜報機関などが収集した機密情報などを日本やドイツとも共有するようになった。つまり、中国に絡む米国の機密情報を日本やドイツなども知ることができるようになったのである。

 ただ米国からすれば、機密情報を提供する以上、相手国にその情報を保全できるシステムやインフラを求めなければいけない。そんな建前で日本やドイツなど同盟国の通信インフラなどから、5Gをはじめ中国製品を排除させようとしている。今後、米国と同盟関係にある国々が、このような形によって中国製品を排除していく可能性もあり、まさに「インターネット冷戦」の様相になっているのである。

 ファーウェイ禁止のニュースにはこうした背景があるのだ。

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