東芝のラジカセが売れている背景に何が? 企画担当者に聞く:あの会社のこの商品(1/5 ページ)
東芝エルートレーディングのCDラジカセ「Aurex TY-AK1」が売れている。50代から多くの支持を集めているわけだが、どのような機能が搭載されているのか。同社の開発担当者に話を聞いた。
「Aurex(オーレックス)」と聞いてピンと来た人は、きっと古くからのオーディオファンであろう。かつて東芝が発売していたオーディオ機器ブランドだが、一時途絶えた後、2016年3月に東芝ライフスタイルグループのオーディオ機器会社である東芝エルイートレーディングから復活した。ブランド復活の第一弾は、ハイレゾ(ハイレゾリューション)音源の再生に対応したCDラジオ「TY-AH1000」。そして第2弾が、18年に発売された「TY-AK1/同AH1」である。
いずれもハイレゾ相当の音源の再生に対応したもので、3月に発売された「TY-AK1」はカセットテープ対応のCDラジカセ、4月に発売された「TY-AH1」はBluetoothのワイヤレス再生対応CDラジオ。中でも「TY-AK1」は、カセットテープの音源をハイレゾ相当の音質に再生できることから、発売と同時に話題となり、販売をけん引。2モデル合わせて1500台という目標をクリアしそうな勢いで売れている。
現在、多くの人がスマートフォンで音楽を聴いていると思うが、実はラジカセも一定の市場規模を維持している。市場を支えているのは主にシニア世代で、使用目的は大きく2つあるという。
1つめは、シニア世代が大好きな演歌歌手の曲をカセットテープで聴いたり、カラオケの練習や録音に使ったりしている。そのために、マイク端子の搭載はもちろんのこと、カラオケを聴きながら自分の歌をカセットテープに録音することができるダブルカセットタイプが、東芝エルイートレーディングから発売されている。
2つめは、主に50代が青春時代に録音したカセットテープを聴いている。過去に録音したカセットテープを大切に保管している人たちがラジカセを買い求めているのだ。カセットテープを再生できるハードウェアが減少してきていることを踏まえ、カセットテープからSDカードやUSBメモリーにダビングできるラジカセを、同社では開発している。
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