松屋と吉野家でこれだけ違う 「もうかる立地」の方程式とは?:ネット上の「立地」も大事(3/6 ページ)
「あの飲食店は立地が悪い」とよく言われるが、そもそも「良い立地」と「悪い立地」は何が違うのだろうか。知ってるようで意外と知らない飲食店の立地戦略を読み解いてみよう。
いきなり!ステーキの立地戦略
さらにもう1つの例として、最近テレビなどでもよく特集をされており、勢い良く出店をしている「いきなり!ステーキ」の物件募集要項を公式Webサイトで見てみましょう。
(1)店舗面積:15〜25坪
(2)乗降数10万人以上の駅前(徒歩0分〜3分)
(3)1階又は2階の1フロア
ここでまず気付くのが店舗面積です。吉野家や松屋といった牛丼チェーンが25〜40坪を出店基準にしているのに対して、いきなりステーキは15〜25坪までを出店基準にしています。これにより大手チェーンが出店しづらい「ラーメン店の跡地」といった狭い物件でも出店できます。
基本的に大手チェーンの方が物件情報を早く入手できます。こうした中で後発のブランドが繁華街を狙った業態を多店舗展開していく上では、大手チェーンが狙わないような物件に絞って業態を開発していくという視点も重要になります。つまり空白マーケットをどう狙っていくのかということです。
皆さん、ここで1つ疑問を抱きませんか? なぜ牛丼チェーンと違い、いきなり!ステーキは狭い物件に次々と出店できるのでしょうか? その理由は2つあります。1つ目は「ステーキ」にメニューを絞り込むことで調理工程を効率化しているため、厨房面積が狭くて済む点。2つ目は「立ち食い」を取り入れることで1坪当りの客数を最大化している点です。
このように、立地選定を行う際には自社のビジネスモデルを踏まえた上で、自社なりの出店基準を設けていくことが成功の鍵となります。
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