アジア攻めるNetflix、日本作品は生き残れるか 首脳部に直撃: 映像ジャーナリスト数土直志が問う(7/7 ページ)
映像配信の帝王、Netflixのアジア戦略に密着。シンガポールのイベントでは日本コンテンツの微妙な立ち位置が浮き彫りに。幹部は日本の出版社買収にも関心抱く。
日本のターゲット層、若者からさらに広く
――日本に多くの配信会社がある中で、Netflixは日本進出した際に、20代から30代と若い層をターゲットにしていたと思います。さらにターゲット層を広げるのでしょうか?
サランドス氏: 番組を増やす中で挑戦していきたいと思います。確かにNetflixが得意とする海外ドラマやアニメは若い世代に非常にアピールします。まずはそこからスタートしました。しかし私たちにはオリジナルコンテンツがあり、誰が何を見ているか知っています。今後はよりメインストリームに広げていきたいと思います。米国でも10年前は若いユーザーが多かったので、同じ形です。
――Netflixには映画、ドラマ、ドキュメンタリーと豊富なコンテンツがありますが、ここに音楽ライブやスポーツを加える可能性はありますか?
サランドス氏: スポーツのライブ中継には全く関心がありません。私たちのビジネスはオンデマンドです。同様にニュースにも関心はありません。視聴者が見たい時に見たい番組を選ぶことを大切にしたいのです。これはライブ放送とはまた違う体験なのです。
――作品を選ぶ決め手は何になりますか?
サランドス氏: たぶん他の人たちとそんなに変わりはないです。人々を魅了する世界観、キャラクター、そしてストーリーです。その3つの要素です。
――Netflixはクリエティブに対して自由度が高いとも聞きます。
サランドス氏: 私たちの仕事は正しいものを選び出すことです。いったん決まってしまえば、私たちはツールにすぎないのです。私たちはグローバル企業ですので、世界中からいろいろなことを学んでいます。それをマーケットのなかで活用しています。作品を作る側からは強力なツールになるはずです。
――Netflixは米国から米国の作品を世界に流通させるだけでなく、世界中をコンテンツの生産地に変えています。変革者との自覚はあるのでしょうか?
サランドス氏: エキサイティングでスリリングな経験をしていますね。世界の人口の6割はアジアなのです。そこでコンテンツを生みださない理由はないのです。
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