恋の相性を「知」で解明――婚活アプリ「Pairs」が東京大学と提携、マッチング精度向上へ:“モテる”メッセージの送り方も分析(1/2 ページ)
恋愛マッチングサービス「Pairs」を運営するエウレカと、東京大学 大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦研究室が提携。より相性のよいユーザー同士を結び付けられるサービスのアルゴリズムを共同開発していく。交際につながりやすいメッセージの文面なども分析する。
恋愛マッチングサービス「Pairs」を運営するエウレカ(東京都港区)は12月10日、機械学習・パターン認識などを研究する東京大学 大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦研究室と提携し、“恋の相性”に関する共同研究を行うと発表した。実装の時期や詳細は非公開だが、今後は山崎研究室の分析技術を活用し、より相性のよいユーザー同士を結び付けられるアルゴリズムを共同開発する計画だ。
山崎俊彦准教授は、音声・画像・動画などのデータを分析して「魅力」を定量化する研究の専門家。過去には受け手に支持されやすい広告の特徴などを定量的に見いだす研究を手掛けてきた。
エウレカは個人情報を特定できない範囲で、ユーザーの年齢や学歴、年収、自己紹介文、過去の活動履歴――といったデータを山崎准教授に提供し、より価値観の合う相手と知り合えるような仕組み作りを進める。
「いいね!」を送り合ってマッチング
2012年にスタートしたPairsは(1)会員登録する、(2)職業・年収などの条件を基に異性を検索する、(3)顔写真やプロフィール、趣味などを見る、(4)気になった異性に「いいね!」を押す――という仕組みを採用。相手が「いいね!」を返すと「マッチング」が成立してメッセージ交換が可能となり、気が合えば現実世界でのデートに進める流れだ。
日本・台湾・韓国の3カ国で展開しており、18年8月現在の累計会員数は800万人。国内では累計18万人の会員が交際に発展している。
エウレカの中村裕一取締役は「現在は少子化や晩婚化などが進んでいるが、話を聞くと、人々は恋愛や結婚をしたくないわけではなく、単に出会いがないケースもある。オンラインデーティングが、そんな状況に対するソリューションになるのではないかと考えてサービスを運営している」と説明する。
見えない相性も突き止める
過去にもエウレカは、Pairsを使って交際したカップルのデータをAI(人工知能)に機械学習させ、学歴・職業・年収などの観点から相性のよい条件を抽出。異性を検索した際、統計的に交際に発展する確率が高い相手を上位に表示するなど、アルゴリズムの改善に注力してきた。
山崎研究室との提携により、ユーザーの趣味・価値観・ライフスタイルといった内面も詳細に分析し、メッセージのやりとりがスムーズに進んだり、デートで会話が盛り上がったりしやすい異性を検索結果の上位に表示できるようにする。
エウレカの金子慎太郎CTO(最高技術責任者)は「ユーザーがPairs内で所属している趣味のコミュニティーも分析し、『散歩が好きな人とカフェ巡りが好きな人は相性がいい』などの見えない要素を突き止めていきたい」と意気込む。
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