ゴーン事件を「西川の乱」だと感じてしまう、これだけの理由:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
カルロス・ゴーン前会長の逮捕で、日本中に衝撃が走った。有価証券報告書で役員報酬の一部を少なく記載した容疑で逮捕されたわけだが、この事件について、筆者の窪田氏は「西川の乱」ではないかと見ている。その理由は……。
西川社長の立ち振る舞い
なんてことを言うと、「日産のためにがんばる西川さんをおとしめるフェイクニュースを真に受けるな!」と激怒する方も多いだろう。が、筆者が一連の出来事を「西川の乱」だと感じてしまうのは、毎日のようにリークされる情報だけではなく、西川社長ご自身の立ち振る舞いによるところも大きい。
それは、組織のトップとして、「危機」にどういうスタンスで臨んでいるのか。有り体に言えば、「危機管理」である。
昨年10月の完成車検査不正問題の発覚時、『無資格検査 日産の社長が「謝罪」をしない理由』という記事の中でも指摘したが、西川社長の危機管理はかなりユニークだ。「企業の社会的責任」を鑑みれば普通はこうするでしょ、というセオリーに背を向けて、ことごとく「逆張り」をされているのだ。
具体的には、トップとして出なくていい時に丸腰で飛び出し、トップとして出なければいけない局面には出ない。さらには、トップとして言ってはいけないことを、全世界に向けてバーンとぶちまけている。
このようにかなり個性的なスタイルから強く感じるのは、西川社長という方が「組織の外」より「組織の中」を向いているのではないかということだ。
なんでそんなことが言えるのかをご理解していただくために、西川流危機管理を象徴する以下の3つのケースをもとに説明しよう。
(1)完成車検査不正発覚時に「ひとり会見」
(2)ゴーン逮捕後に「首謀者」と断定
(3)4回目の検査不正発覚も姿を見せず
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