なんだこれは? 黄色いバーが並んだJR「新型ホーム柵」の正体:「昇降ロープ式」「戸袋移動型」も(2/4 ページ)
国交省や鉄道事業者はホームドアの整備を進めている。その一方で新型タイプの開発も進み、一部は実用化されている。知られざる新型ホームドアの世界とは。
設置費用を軽減するタイプの新型ホームドア
ホームの補強工事や設置工事の費用を削減するために開発されたのがJR東日本メカトロニクスの「スマートホームドア」だ。これは、ドアの部分をフレーム構造とすることで、軽量・簡素化を図っている。スマートホームドアは16年に町田駅(東京都町田市)で試行導入されている。また、日本信号は「軽量型ホームドア」と呼ばれるタイプのホームドアを開発している。これは、重量を従来型の半分程度まで軽量化したタイプで、17年に九大学研都市駅で実証実験が行われている。
車両タイプの制限を受けないタイプのホームドア
ホームに扉が3つある車両や扉が4つある車両が入ってくると、ホームドアの導入が難しくなる。この問題を解決するために開発が進んでいるのが、ドアの開口幅を大きくとることができるホームドアだ。
具体的には「昇降ロープ式ホーム柵(支柱伸縮型)」「昇降ロープ式ホームドア」「昇降バー式ホーム柵」という開口部がロープやバーで構成されているタイプと、「大開口ホーム柵」という2重引き戸構造のタイプがある。
記者が拝島駅で見かけた昇降式ホーム柵は昇降バー式ホーム柵に該当する。拝島駅以外では、相模鉄道の弥生台駅(横浜市)で実証実験が行われた。実用化も進んでおり、JR西日本の高槻駅(大阪府高槻市)には昇降ロープ式ホーム柵(支柱伸縮型)が設置済みで、近鉄の大阪阿部野橋駅(大阪市)でも18年12月15日から昇降ロープ式ホームドアの使用が開始される。
大開口ホーム柵は通常の横開きタイプのドア部分を2重引き戸構造とすることで、開口幅を大きくとることが可能なものだ。16年に東京メトロの九段下駅(東京都千代田区)で実証実験がされている。
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