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日清と激突? セブンの冷凍カップチャーハンが起こした“革命”と“カップご飯戦争”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
セブン‐イレブンがカップに入った冷凍チャーハンと冷凍ピラフを発売して大きな反響を呼んでいる。同商品を生んだ背景にある冷凍チャーハンメーカー“3強”の存在と、日清が先行している“カップご飯”について考察してみよう。
冷凍チャーハン3強
香りにこだわる味の素冷凍食品の作風は、今回のカップチャーハンとピラフにも踏襲されている。また、ザ・チャーハンは大容量とすることで、がっつりした味わいを提案したが、カップチャーハンとピラフは少量でやさしい味付けとすることで他の商品と組み合わせることを想定している。つまり、既存の主力NBとの差別化が図られているのだ。
ザ・チャーハンは冷めてもおいしいように設計されている。例えば、母親が間食用に子どもに持たせ、部活前に小腹を満たすような使われ方もあるそうだ。一方のカップチャーハンやピラフは、子どもが部活前にコンビニに行って、店員にレンジでチンしてもらい、温かいチャーハンで小腹を満たすといったシーンも考えられる。
味の素冷凍食品とニチレイに加え、マルハニチロが“冷凍チャーハン3強”を形成している。マルハニチロは「あおり炒めの焼豚炒飯」と「炒飯の極み えび五目XO醤」を販売しており、「赤坂璃宮」オーナーシェフ譚彦彬(たんひこあき)氏の監修が売りとなっている。
こういった冷凍チャーハンの開発合戦によって、飛躍的に商品力は向上した。これらを下地にして、カップチャーハンがピラフと共に新たな食の場面を切り開いたと言えるだろう。
なお、冷凍ピラフにはさまざまな種類があるが、海老ピラフが最もポピュラーだ。カップピラフでも王道から入っている。
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