日銀、市場変動による心理面注視 総裁「経済に変化ない」:手詰まりなのか(1/2 ページ)
日米株価の大幅下落が進んだ20日、金融政策決定会合後の会見で黒田東彦日銀総裁は、世界・日本経済に大きな変化はないと強調した。それでも金融市場では世界経済の減速を先取りする形で株安・金利低下が進んでおり、市場変動を通じた企業・家計のマインドや、インフレ期待への影響が懸念される状況になりつつある。
[東京 20日 ロイター] - 日米株価の大幅下落が進んだ20日、金融政策決定会合後の会見で黒田東彦日銀総裁は、世界・日本経済に大きな変化はないと強調した。それでも金融市場では世界経済の減速を先取りする形で株安・金利低下が進んでおり、市場変動を通じた企業・家計のマインドや、インフレ期待への影響が懸念される状況になりつつある。大規模緩和の長期化による副作用への懸念も強まる中、日銀の金融政策運営は一段と厳しさを増している。
<市場は過度に悲観的>
「日米欧で株価のベースとなる企業収益見通しは総じてしっかりしており、ファンダメンタルズにも大きな変化は見られていない」――。20日の会見で黒田総裁は、不安定化する市場をなだめるようにこう指摘した。
日銀内では「今の市場は悲観的になり過ぎている」(幹部)との見方も少なくないが、世界経済の先行きに対する懸念は消えない。最も警戒されている米中貿易摩擦は長期化するとの見方も多く、市場の動揺がすぐに収まる兆しはみえない。
変動が激しい株式市場は、かねて過熱感が指摘されていた米国株発だが、20日の東京市場で日経平均株価<.N225>は一時700円を超える下落となり、終値で2万0392円と年初来安値を更新。今年10月に2万4000円台に上昇していたが、2カ月余りで4000円近い大幅安となっている。
この間の日本経済は、夏場に相次いだ自然災害による落ち込みを乗り越え、回復基調を取り戻しつつあるものの、最近の急速な株安は「企業のマインドや個人消費に悪影響を与える可能性がある。当然、インフレ期待にもマイナスだろう」(国内金融機関)とされる。
12月日銀短観では、米中貿易摩擦への懸念が広がる中でも、2018年度の設備投資計画は強めの内容となった。
だが、投資マインドが悪化すれば、日銀が見込む需給ギャップの改善持続による物価押し上げにも、不透明感が強まることになる。
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