レクサスの好調を支える“若さ”と“挑戦”とは何か:「UX」チーフエンジニアに聞く(2/2 ページ)
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の販売が好調。11月末には初のコンパクトクロスオーバー「UX」も投入し、活況のSUV市場で顧客層の拡大を狙う。チーフエンジニアを務めた加古慈さんに、UXに込めた思いや課題などを聞いた。
若い世代には「関係ない」ブランド?
――とはいえ、若い世代にはハードルが高いのでは。「自分には関係ない」と思っている人も多いと思います。
もちろん、これまでと同じアプローチではいけません。レクサスの店舗に足を運んでもらうこと自体、難しいことだと思っています。(18年3月、東京ミッドタウン日比谷にオープンしたブランド体験施設)「LEXUS MEETS...(レクサスミーツ)」のような、より開かれた場所で知ってもらうきっかけ作りを進めています。若い世代とつながりを持つ場にできたら。
昔は「クルマは投資に値するもの」という価値観がありましたが、今の若い世代は必ずしもそうではありません。所有の仕方や購入方法など、アクセシブルな(利用しやすい)施策を考えていかないと難しいと思います。
そういった意味では、そのときどきのニーズに合ったシェアリングサービスの提供も良いのではないかと思います。気軽にクルマに触れて、体験してもらうきっかけの一つになるでしょう。
――(19年1月からは他の領域を担当する。)これまでのキャリアでは、欧州での駐在経験もあるということですが、そこで学んだことをどのように生かしていますか。今後の課題とは?
トヨタの文化である「カイゼン」は、みんながそれぞれの役割でいいものを作って、その集合体がいいクルマになる、というアプローチです。一方、欧州では、まず「何がしたいか」から始まって、それをブレークダウンさせていく。こんな部品を作るためには、こうあるべきで、そのためには素材がこうなるべき、という考え方です。
その両方のやり方をハイブリッドさせることで、より強い組織になって、より強いモノづくりができるのではないかと考えています。
これからの時代は、考え方が違う人たちのアイデアをうまく結び付けて1つのものをつくり上げることが、ますます重要になると思います。考え方やアイデアをいかにうまく融合させることができるのか、といったことがこれからの課題です。
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