国交省、トラック隊列走行の「後続車無人システム」を公道実証へ 先頭車両に自動追従:新東名高速で1月22日から
国交省と経産省が、新東名高速道路でトラック隊列走行の実証実験を行う。日程は1月22日〜2月28日。先頭トラックのみドライバーが操縦するが、後続1〜2台は先頭車両と通信し、自動で追従する仕組みを採用する。
国土交通省と経済産業省は1月22日〜2月28日に、新東名高速道路で「後続車無人システム」を取り入れたトラック隊列走行の実証実験を行う。積載量25トン級の大型トラック2〜3台が、約10メートルの車間距離を保ったまま隊列を組み、時速70キロで走行。先頭車両のみドライバーが操縦するが、後続1〜2台は先頭車両と通信し、自動で追従する仕組みで、車線変更なども自動で行う。
先頭車両に追従して自動で車線変更するトラックを使った実験は国内初。安全面を考慮し、後続車両にはドライバーが乗車するが、緊急時以外はハンドル操作を行わない。
実証実験では、後続車の「車間距離維持機能」「先行車追従機能」が問題なく作動するかを確かめるほか、周囲を走行する一般ドライバーが隊列内に割り込んでこないか――といった反応も確かめる。一般ドライバーを対象としたアンケートを実施し、トラックの隊列が周囲に与える印象などについても調べる。
早ければ22年に商用化
自動運転などの先進技術を生かして物流を効率化する取り組みの一環で、両省は2018年1月から継続的に実証実験を行ってきた。ただ従来は後続車もドライバーが運転していたほか、35メートルの車間距離を設けていた。
今後も自動追従技術の実用性を高め、最短で22年の商用化を目指す計画だ。国交省の担当者は「次回の実証実験の時期は未定。まずは今回の実験で、現時点での安全性を見極め、結果を踏まえて(時期を)判断したい」(自動車局 技術政策課)と話している。
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