東京VS.大阪 飲食店スタッフの「給料格差」はどれくらい……?:売り手市場で昇給続く
飲食業界で働くスタッフの「給料格差」は、東京都と大阪府ではどの程度あるのか。飲食業向け情報Webサイトを運営するシンクロ・フードが調査結果を発表した。昇給額では大阪府が上回ったものの、月給は東京都の方が高い傾向がみられた。
飲食業界で働く正社員が2018年に得た月給の平均額は、東京都が25万8386円(前年比5244円増)、大阪府が24万9051円(9417円増)で、昇給額では大阪府が上回ったものの、月給は東京都の方が高かった――。飲食業向け情報Webサイトを運営するシンクロ・フードの調査でこんな結果が出た。
両エリアの平均月給を業態別にみると、イタリアンレストランは東京都が25万7318円(6622円増)、大阪府が24万3475円(7878円増)、和食レストランは東京都が26万1956円(3079円増)、大阪府が25万1196円(9938円増)、その他の洋食レストランは東京都が25万7693円(6804円増)、大阪府が24万3514円(5537円増)という結果に。
居酒屋・ダイニングバーは東京都が26万8034円(6968円増)、大阪府が26万377円(1万238円増)。カフェ・ベーカリー・スイーツ店は東京都が24万814円(3774円増)、大阪府が23万1806円(9415円増)となり、全体的に月給では東京都が大阪府を1万円弱〜1万5000円程度上回っていたが、昇給額は大阪府の方が多かった。
同社は「比較的採用が難しい業態は給与が高めで、採用しやすい業態は給与が低めという傾向にあります」と分析する。
仕事内容別では、サービス・ホール担当者の平均月給は東京都が24万1730円(4808円増)、大阪府が22万8994円(6968円増)、調理担当者の平均月給は東京都が24万7274円(4740円増)、大阪府が23万7088円(5719円増)という結果だった。
アルバイトスタッフの平均時給(18年時点)も伸びており、東京都は1094円(26円増)、大阪府は1001円(28円増)だった。
同社は「売り手市場が続く飲食業界では年々給与が高騰しており、いずれのエリアもそのトレンドを反映した結果となっています。18年10月の最低賃金改定では、前年に引き続き過去最高レベルの引き上げが実施され、東京都・大阪府ともに最低賃金が27円上昇しました。この最低賃金改定も平均給与の増額に大きく影響していると考えられます」と結論付けている。
調査は、18年1月1日〜12月31日にシンクロ・フードが運営する求人Webサイト「求人@飲食店.COM」に掲載された求人8万5638件を集計してまとめた。
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