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中小企業の40%が「残業規制」知らず 「経営者に余裕がない」恐れ:「残業代の未払い」発生の懸念(3/3 ページ)
中小企業の多くが「働き方改革関連法」の内容を理解していない実態が露呈した。
「特別休暇」は有休強制付与の対象外
調査では自社独自の「特別休暇」の設定状況も項目に挙げられていた。これは例えば夏季休暇や年末年始休暇、創立記念休暇など、法定の年次有給休暇とは別に、独自の「特別休暇」を設定している状況を調べたもので、「年6日以上」が40.8%で最も多かった。だが、今回の「年次有給休暇の取得義務化(年5日)」は法定の年次有給休暇が対象であって、自社独自の「特別休暇」は対象になっていない。従って「特別休暇」を設定している企業が多い以上、丁寧な周知が求められる。
また、働き方改革に対応していくために拡充すべき支援策や制度は「補助金・助成金」が61.6%と最も多く、次いで「新規採用の支援」が43.5%だった。「発注元・消費者の理解促進策等、社会全体の機運醸成」と回答した企業が29.8%だったことから、官民が一体となった取り組みが期待される。
調査は日商と東京商工会議所が、法律の施行に先立ち、中小企業の状況を調べるために実施した。18年10月下旬から12月上旬にかけて全国の中小企業2881社を対象に行い、2045社から回答を得た。
残業規制と有休の強制付与について疑問に思った読者は、ぜひ以下の関連記事(「時間外労働の上限規制」で何が変わるのか? 人事担当者必見の「働き方改革」用語解説、違反すると懲役刑や罰金刑も! 「残業時間の上限規制」の影響を弁護士に聞いた)で、改正の内容を確認してほしい。
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