赤ヘルの長野久義が広島の地にもたらす、“スゴい効果”の予感:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/3 ページ)
「赤ヘルの長野久義」が広島の地へ降臨した。ここ数年の活躍を見ると、「広島で活躍できるのか?」と心配の声も出ているが、球団は“最強の補強”を手にしたと言えるだろう。どういうことかというと……。
“長野効果”の行方に注目
こうした流れも踏まえた上で、球団関係者は“長野効果”に関して次のように語り、大きな期待を寄せている。
「カープファンとしては『丸の代わりに本当によく来てくれた』という気持ちで全員がとにかくウエルカムでしょう。巨人ファンからも『長野だけは応援したいし、彼のカープグッズを買って、実際に広島の試合も見に行ってみたい』という声が実際に聞こえて来ています。
カープの基本方針はご存じのように“去るものは追わず”。ファンの人たちもそれを分かってくれていますし、もう丸選手は巨人のメンバーとして諦めがついています。だから“丸ショック”はなくなったのではないでしょうか。逆に最近は、ウチに長野選手が来てくれたおかげで新しいファンが増えるのではないかと、球団内部でひそかに期待値が膨らみつつあるところです。巨人ファンから広島ファンにくら替えする人も出てくるかもしれません」
長野の獲得には、あの広島・松田元オーナーが直々にゴーサインを出したという経緯がある。滅多なことでは他球団から選手を獲得せず、そして自らも新戦力について批評しない姿勢を貫く厳格なコイの最高権力者だが、今回ばかりは違った。長野については「人柄もいいし、いい印象がある」と激賞して太鼓判を押している。
あとは開幕以降「赤ヘルの長野」が期待通りの活躍を成し遂げられるかどうか。ただ長野の性格をよく知る人物に言わせれば「口にこそ出さないが、本人は内心で巨人を倒すことが、古巣への恩返しになると燃えに燃えている。責任感の強い男だし、今のところは保有しているFA権を今後も行使せず、カープに骨を埋める気持ちでいるはず。彼は現代の必殺仕事人。周りがワーワー言わなくても、やってくれるだろう」という。
コイの背番号5が広島にもたらす“長野効果”の行方に、注目したい。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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