2015年7月27日以前の記事
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日本でのK-POP躍進の軌跡 長年支え続けてきた功労者に聞いた活躍の舞台は世界(3/4 ページ)

"K-POP"が世界を魅了している。だが、日本で歩んできた道のりは決して平坦なものではなかった。K-POPを長年支え続けてきた功労者の1人であるユニバーサル ミュージック合同会社執行役員、中村卓さんに話を聞いた。

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苦しい状況下での新たな試み

 このように書くと韓国のアーティストは順調に人気を集めてきたように感じるかもしれないが、そうではない。領土・歴史問題などを巡る日韓の政治的対立が目立ち始めたのをきっかけに、12年半ばごろからK-POP熱が急速に冷え込んでいったのだ。

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少女時代(=Amazonより)

 韓国のアーティストたちが日本のマスメディアに登場する機会も減ってしまい、プロモーション活動も状況に合わせ見直さなければならず苦労したという。

 当時のことについて「活動の幅が狭まっていたのは事実で、残念だなという気持ちがありました。以前と変わらず作品も出していたのですが、広く取り上げてもらうことは難しい時期でした」と振り返る。

 どうやってこの局面を乗り越えればいいのか。中村さんはテレビやラジオでのプロモーションではなく、デジタルメディアを主に活用していく方針に切り替えることを決断。可能な限りファンとの交流を途切れさせることなく、アーティストをより身近に感じてもらえるような場を提供できればと考えたからだ。

 K-POPを取り巻く環境は大きく変わっていたものの、アーティストを求めるファンがまだまだたくさんいることは分かっていた。コンサートやイベントを開けば会場はいつもたくさんのファンで埋め尽くされる。東京ドームツアーの観客動員数を見ても上位にはK-POPアーティストの名前がいくつか挙がっており、数字としても結果を残していた。絶えず応援してくれるファンの期待に応えたかったという。

 「アーティストも我々もできることを最大限の力でやろうとする想いは一緒でした」

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