ファミマが“甘ったるくない”スイーツを強化しているワケ:隠れた狙いとは?(1/2 ページ)
ファミマが“甘ったるくない”スイーツを強化している。好まれる味のトレンドを反映している面もあるが、実は隠れた狙いがある。どういうことかというと……
コンビニ、百貨店、ケーキ屋などで購入したスイーツを食べて「昔はとても甘いものが多かったのに、最近はそれほどでもないなあ」と感じる人もいるのでは。実は、ファミリーマートでは“甘ったるくない”スイーツがトレンドだと判断し、商品開発に反映させている。そして、そこには売り上げアップのための“ある戦略”も隠れていた。バレンタインデー向け商品を例に解説しよう。
ファミマは、パンやデザートなどのカテゴリーでチョコレートを使用した商品を2月5日から順次発売する。中でも同社がバレンタイン関連のスイーツとして力を入れるのが、2月12日から発売する「カカオ薫るデザートシリーズ」だ。これは、ファミマが新たに開発したカカオ分70%の「ハイカカオチョコレート」を使用した商品だが、味や風味に近年のトレンドを反映させてある。
300円以上の“強気”商品も投入
ハイカカオチョコレートを使用した商品は「カカオ薫るエクレア」(税込168円、以下同)と「カカオ薫るショコラケーキ」(320円)だ。エクレアは、ココアパウダーを配合して焼き上げたエクレア生地に、ハイカカオチョコレートを使用したチョコカスタードとチョコホイップの2種のクリームを絞り、チョコソースで飾ったものだ。また、ショコラケーキは、ココアスポンジとチョコムースをハイカカオチョコソースでコーディングし、チョコレートと砕いたフリーズドライいちごをトッピングしている。ココアスポンジの間にはラズベリーソースが挟んであり、さっぱりとした酸味がアクセントになっている。
ファミマがカカオに注目したのには理由がある。近年、健康に対するニーズが高まるにつれ、ポリフェノールを多く含むカカオが注目されるようになった。調査会社のインテージによると、チョコレート市場は2469億円(13年)から2952憶円(17年)まで増えている。中でも、高カカオ(カカオ含有量が60%以上のもの)市場は47億円(15年)から185憶円(17年)と急激に増えている。
カカオを使うメリットは他にもある。ファミマの担当者は「現在、先味(口に入れた瞬間の味わい)が強く、後味がスッキリとしたスイーツが受けています。カカオを使うと、先味にインパクトを出すことができるのです」と説明する。これまでのデザートは、濃厚で後味の余韻を楽しむようなものが受けていた。しかし、ファミマの担当者は有名パティシエや食品メーカーとの打ち合わせを通して、トレンドの変化を察知。現在では、エクレアやショコラケーキに限らず、後味がスッキリとした(甘ったるくない)スイーツの開発を強化しているという。
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