ドル箱の巨人キャンプを手放したくない、宮崎県の苦悩:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
2月1日、プロ野球の春季キャンプがスタートした。何だかんだ言っても、注目を集めているのが巨人である。報道陣の数も群を抜いて多いわけだが、そのキャンプ地、宮崎でまた大きな施設が完成した。裏では、行政の苦悩がうかがえて……。
球春到来――。プロ野球の春季キャンプが2月1日から一斉にスタートした。
12球団の中でもひときわ注目を集めているのは、大型補強を敢行した巨人だ。何だかんだ言っても報道陣の数は群を抜いている。その巨人の春季キャンプ地、宮崎総合運動公園に今年からまた1つ大型施設が完成した。メイン施設のサンマリンスタジアム宮崎に隣接する屋内型新ブルペンとサブグラウンドである。
総工費は1億6500万円。宮崎県の全額負担で新設された新ブルペンは、本拠地の東京ドームに近い仕様となっており、完全屋内型で雨風の悪天候を気にする必要もなくなった。これまでの旧ブルペンは同じ敷地内ながらも、サンマリンスタジアム宮崎から約2キロ離れた場所にあって、マイクロバスでの移動を余儀なくされていた。新ブルペンは時間的ロスもなくなり、サンマリンスタジアム宮崎から徒歩1分未満の距離であることから、投手陣は今キャンプでストレスを感じずに順調な調整を続けているようだ。
それにしても、宮崎県の大盤振る舞いには目を見張る。巨人の春季キャンプ地、宮崎総合運動公園には従来のサンマリンスタジアム宮崎、雨天時屋内練習場の木の花ドームに加え、屋内型新ブルペンにサブグラウンドと12球団の中でも有数の超豪華施設がそろった。その背景には、やはり宮崎県の巨人に対する気遣いがうかがえる。何としてでも宮崎キャンプを永遠に存続させてほしいという思いがあるからに他ならない。
1959年以来、巨人は宮崎で春季キャンプを張っている。しかし2011年から沖縄県那覇市の奥武山野球場(沖縄セルラースタジアム那覇)を中心とする県営奥武山公園で第2次キャンプを行うことになり、第1次キャンプのみとなってしまった宮崎には、「撤退ムード」が一時高まった。当時の球団代表職にあった清武英利氏は「巨人が宮崎から撤退することはない」と明言していたが、その後同氏は失脚。それだけに県関係者たちは「那覇に巨人を奪われるのではないか」と一様に危機感を強めていた。
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