ドル箱の巨人キャンプを手放したくない、宮崎県の苦悩:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
2月1日、プロ野球の春季キャンプがスタートした。何だかんだ言っても、注目を集めているのが巨人である。報道陣の数も群を抜いて多いわけだが、そのキャンプ地、宮崎でまた大きな施設が完成した。裏では、行政の苦悩がうかがえて……。
宮崎キャンプでの経済効果
巨人が宮崎でキャンプを行うことによって、経済効果はどのくらいあるのだろうか。メディアによる宮崎のPR効果はもちろんのこと、選手や首脳陣、チームスタッフらが一同に集結し、メディア関係者やファンもドッとやって来れば飲食や宿泊で多額のお金が落とされ、街全体が潤う。県内では「巨人が2週間だけでもキャンプをやってくれれば、それだけで県関連全体で30億円以上の経済効果が見込める」と分析する声もあって、まさに宮崎にとって巨人は“ドル箱”とみていいだろう。
だからこそ「何としてでも巨人は手放したくない」というのが宮崎県側の本音なのだ。しかも、今季から原辰徳監督が通算3度目の就任。原監督は「脱宮崎推進派」ともささやかれているだけに、宮崎県関係者は焦りに拍車がかかった。
実際、原監督は第1次政権下の04年に、グアム第1次春季キャンプの実施を決定(監督は03年に辞任)。第2次政権時代の11年には、当時のフロントと話し合いの末に、第2次春季キャンプ地として沖縄県那覇市での“半鞍替え”にOKしている。
基本的に「春季キャンプは温暖な地でやることが理想」という考え方を持つ指揮官の4年ぶりとなる古巣復帰によって、多くの宮崎県関係者たちが「何があっても1次キャンプの牙城だけは守らねばならない」と強い意志を固めたのは、自然の流れだったのかもしれない。
巨人の主力選手たちからも、「宮崎より暖かい那覇へ早く行きたい」と密かにグチをこぼす声が漏れ伝わっている。他の球団を見ると、第2次以降であれば、実に12球団中8球団が沖縄本島で行っているのが現状だ(石垣島のロッテを除く)。暖かいだけでなく、これだけの球団が集まっていれば練習試合も組みやすい。そう考えると、さまざまな調整面において選手たちにはかけがえのないプラス作用が働くことになる。
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