ZOZO 前澤社長の理想を現場に伝えるマネジャーの「翻訳力」とは?:人自本部・西巻本部長が明かす(2/5 ページ)
現場のチームメンバーが自律し、能動的に動けるようになるには、組織のトップの思いやビジョンが現場にまで伝わっている必要があるだろう。どうすればマネジャー職の人たちはそれをうまくくみ取り、社員一人一人に伝えることができるのか。そんなマネジメント術について、“カリスマ経営者”前澤友作氏率いる株式会社ZOZOの採用、社員教育、社内制度などを統括する社長室室長兼人自本部本部長 西巻拓自さんを直撃した。
サーベイを導入
これまで、前澤や経営陣が考えている理念を、誰がどのように伝えるのかは、中間管理職の個々人に自由に任されていました。
僕みたいに昔からいる管理職のメンバーは、前澤と密なコミュニケーションを取ることが多いので、ZOZOの理念や前澤の考え方が体に染みついているのですが、社員が増えていくと、現場まで十分に伝わることが難しくなります。いろんな仲間が集まって、いろんな考えが入ってきて、それを僕みたいな古株に「合わせてください」というのは到底無理な話です。
最近は、中間管理職にも中途社員がたくさん入社してきているので、中間管理職研修のようなものも必要だとようやく思うようになりました。末端の社員にまでトップの意図が伝わるよう、より現場に近い課長職の人たちに翻訳したビジョンを意識して語ってもらえるようにしたほうがいいだろうと思っています。
そこで最近、管理職の意識改革を目的とした組織診断の「サーベイ」を導入しました。僕は1年前に人自本部の本部長職に就いたのですが、それまで組織の課題ややるべきことを判断できる材料がなかったので導入しました。
課長職、部長職、本部長職レイヤーで「サーベイ」を使ってもらったのですが、「うちの部、こんな状況だったの? 不満持ってるスタッフ多いんだ……」と驚かれることも多いです。サーベイの結果を元に管理職と話す機会も増えただけでも十分に価値があります。
そういう結果を真摯に受け止めて、現場ともコミュニケーションを取り、歩み寄っていくことがマネジャーに求められる最低限の姿勢かなと思います。
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