「産まない女が問題」麻生発言の陰で、増え続ける“未婚シングルマザー”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(4/5 ページ)
結婚せずに母親になった「選択的シングルマザー」が増えている。フランスでは婚外子の権利を保障する取り組みが進んでいるが、日本では未婚というだけで「会社を辞めなければならない」現実にぶち当たる人がいる。“世間のまなざし”は変わるのか。
麻生氏発言、問題は「産んでも歓迎しない社会」
くしくも、麻生太郎副総理兼財務相が「(年を)取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違っている。子どもを産まなかった方が問題なんだ」と、少子高齢化に伴う社会保障費の増加に関して、後援会の集会で発言したことが問題になりました。ですが、「子どもを産んでも歓迎しない社会が問題じゃん!」と思うわけです。
一応、麻生氏は2月4日の衆院予算委員会で、立憲民主党会派の大串博志氏から「子どもを持ちたいと思っても結果が出ない人もいる。感度の低い不適切な発言だ」と批判され、「誤解を与えたとすれば撤回する」と述べました。しかし、14年12月に行われた衆院選の応援演説でも「高齢者が悪いみたいなイメージを作っている人が多いが、子どもを産まないのが問題だ」などと、同様の発言をしています。つまり、誤解でも何でもなく、心から「子どもを産まない女性たちが悪いんだよ!」と思っているのでしょう。
そもそもどんなに「子どもを産め!」と女性たちに迫ったところで、東京五輪が開催される20年には「日本人の女性の過半数が50歳以上」です。
これはジャーナリストの河合雅司氏の算出によるもので、合計特殊出生率を計算する際に「母親になり得る」とカウントされている49歳までの女性人口と、50歳以上の女性人口を比較したところ明らかになった“驚愕の事実”です(国立社会保障・人口問題研究所の推計に基づき算出)。
個人的には「出産期を終えた年齢」という言葉にグサッときましたが(苦笑)、私を含めた半数以上の女性が50歳以上になるということは……。な、なんと一人で5人も6人も産まないと、政府が目標にする希望出生率1.8には届きません。
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