第二次バカッター合戦到来! バカ発見器再発動の責任は誰か:若者の情弱化(3/3 ページ)
くら寿司、すき家、セブン-イレブン、そしてバーミヤン……。2013年くらいに続発したバカッター事件(Twitterによる犯罪や不適切行為自慢)と同じような行為が、ここ最近再びニュースになっています。久々のバカ発見器発動を企業リスクの視点で見てみましょう。
店/企業側の責任
当然のことながら、こうしたバカッター行為を犯す愚か者が責任を負うのは当たり前です。ネット上に永久に行為と氏名、家族情報まで残されるという悲惨な結果を迎えるのも、ほぼ犯罪行為である以上弁護の余地は感じられません。しかし自己責任だけで済ませてしまっても、考える力が劣化している人たちは次々と企業価値を毀損するような行為をやらかすことでしょう。企業側の危機管理責任はどんな時でも問われます。
やはり先日バイトスタッフのバカッター行為で被害を受けたくら寿司は、犯人に対し解雇だけでなく、刑事、民事での法的処置を告知しました。「若気の至り」で大目に見るのではなく、問題を顕在化させて、さらなる行為続発を防ぎたいという意図には賛成です。
私がこうした飲食やサービス業など接客を伴う業界向けにお話ししているのは、インタビュー記事にもある通り、絶対に他人事と思わず、自社・自店でも起こり得ること、あるいはすでに起こっているかもしれないという危機意識を持つことです。新規入店のアルバイトへの指導を形骸化させず、必ずSNSの扱い方やその結果の損害賠償などについてもいちいち直接説明する。
バカッター事件が表に出るたびに朝礼や臨時スタッフ研修として、事件を共有するといったことが常日頃から行われないことで、発生リスクが高まります。セブン-イレブンのようにフランチャイズ店舗など、本部や本社から離れれば離れるほど発生リスクは高まります。
「絶対に起きること」「絶対に他人事ではないこと」と自覚し、不断の対策を講じてください。(増沢 隆太)
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