松坂大輔を悲劇の負傷に追い込んだ、“過剰ファンサービス”の行方:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)
中日ドラゴンズの松坂大輔投手が、右肩を負傷した。ファンから右腕を強く引かれ、その影響によって右肩に炎症が見つかったわけだが、この“事件”は球団だけでなく、プロ野球界にも波紋が広がりつつある。どういうことかというと……。
ファンサービスとは一体何なのか。あってはならないことが起こったことによって、プロ野球界……いやスポーツ界全体が岐路に立たされる事態になった。
中日ドラゴンズの松坂大輔投手が沖縄・北谷で行われている春季キャンプで、ファンから右腕を強く引かれ、その影響により右肩に炎症が見つかった。今後はノースロー調整となり、今季は大幅な出遅れを余儀なくされることになりそうだ。回復状況にもよるが、38歳という年齢面を考えれば、最悪の場合、選手生命の危機にまで直結してしまう可能性も十分にある。
昨今のプロ野球界は、ファンサービスの徹底化が図られている。中日も例外ではなく、北谷キャンプは所属選手たちと来場したファンの距離感が他の球団よりも比較的近いと好評を博している。人一倍にファンを大切にする松坂は、その機運に乗じて球場からブルペンなどへの移動はクルマでなく、自転車に乗っていた。ファンと触れ合いやすい環境を提供することで、自ら率先して“チャリ移動”を心がけていたのである。
ところが、この選択肢がアダとなってしまった。当然ながら球団は、悪質ファンの暴走行為が松坂の右肩を破壊したと問題視している。異例の詳細発表に踏み切ったのも事態を重く見ているからこそであり、松坂の今後次第によっては、犯人の徹底追跡に踏み切って損害賠償を求める可能性も出てきそうだ。球団側が警察へ被害届を提出し、刑事事件へと発展しそうな気配も漂う。
実際に中日の球団内部でも「このような悲劇を二度と繰り返さないためにも、犯人を引っ張り出して法の裁きを受けさせるべきである」との声が強まっており、警察と司法によるメスが入る機運は徐々に高まりつつあるという。
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