人工流れ星ベンチャー、ALEの社長が描く科学の未来とは?:宇宙ビジネスの新潮流(1/3 ページ)
「人工流れ星」というキーワードで広く知られる、ALEという宇宙ベンチャー企業がある。同社の創業者である岡島礼奈氏に今後の事業展望や、基礎科学に対する秘めたる熱き思いを伺った。
「人工流れ星」というキーワードで広く知られる、ALEという宇宙ベンチャー企業がある。読者の方もその名前を耳にしたことがある人は多いのではないか。2019年1月18日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)のイプシロン4号機で同社の衛星「ALE-1」が無事打ち上げられた。
今回は、同社の創業者である岡島礼奈氏に今後の事業展望や、基礎科学に対する秘めたる熱き思いを伺った。
風向きが変わった宇宙ビジネス
今回のイプシロンの打ち上げで感じたことは、ALEの活動を開始した2009年と比較すると、日本の宇宙ビジネスに対する風向きが大きく変わったことです。
創業当時に人工流れ星のコンセプトを政府関係の方々に話したときは、民間でやったほう良いというアドバイスをいただきましたが、10年たってJAXAの革新的衛星技術実証1号機の一つとして、イプシロンで打ち上げていただいたことは感慨深いです。
また、この10年、日本と世界の宇宙ビジネスを見てきましたが、両者を比較すると日本のほうがユニークだと感じています。例えば、最も宇宙ビジネスが盛んな米国では、安全保障機関やビリオネア(億万長者)などが強く、そうしたメインストリームに資金、人材、技術が集中する傾向があります。日本のほうはエッジが立っているというか、いろいろなアイデアがあると思います。アイデアだけではなくて、それを実現するための技術力があるのも日本の大きな特徴でしょう。
実際、世界には1000を超える宇宙ベンチャー企業が存在しますが、人工流れ星をビジネスにしている企業は当社以外にいまだ出てきていませんし、海外市場でも非常にポジティブに捉えられています。
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