なぜファミマの社会貢献は「24時間テレビ」のように見えるのか:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
ファミリーマートの「ファミマこども食堂」をめぐって、激しいディスり合いが行われた。「売名行為だ」と批判の声もあれば、「悪いことだと思わない」といった意見も。企業の社会貢献で叩かれるケースと、そうでないケースはどのような違いがあるのか。
それって商売のためでしょ
さて、こういう問題に直面している業界の企業が、「社会貢献として、子どもを応援します!」と高らかに宣言したら、一般庶民はどう感じるだろうか。
「応援するのは悪いことではないけれど、それってあなたたちの商売のためでもあるわけでしょ」
そんな風に感じるのではないか。つまり、ファミリーマートという企業の「地域の子どもを応援」という社会貢献は、「社会問題を用いて、自社の経営課題を解決している」ように見えてしまうのである。
そういうCSR活動とマーケティングの境界がぼんやりとしている文脈の延長線上に現れたのが、今回の「ファミマこども食堂」だ。
このイベントを「コンビニは子ども客が激減しているので、子どもの集客を狙ったイベントを47都道府県の店舗で開催します」とうたっていたら、おそらく誰も叩かなかったはずだ。しかし、何を思ったかファミリーマートは、このライトな集客イベントに「社会貢献」を打ち出して、「こども食堂」というヘビーな社会問題を連想させるネーミングをしてしまった。
このさながら「誇大広告」を思わせる、実態と宣伝文句のギャップが、不毛な争いを引き起こしているのだ。
「やらない善よりやる偽善」と考える人からすれば、地域の子どもに100円で弁当を振る舞うのは立派な社会貢献である。しかし、「商売のためでしょ」と受け取る人からすれば、これは「社会貢献」の名を借りた、子ども客激減に歯止めをかけるための「ポップアップストア」に映ってしまうのである。
というと、「社会貢献の名を借りた商売をして何が悪い! 慈善事業じゃないんだ! 企業も得して、社会のためにもなる。何も問題ないだろ」とキレる方たちが多いと思うので、お断りしておくと、筆者もファミリーマートを批判をするつもりはサラサラない。「子どもを応援」もぜひこのままがんばっていただきたい、と心から思う。
ただ、「それって商売のためでしょ」と感じる人たちが一定数存在し、それが時に大きなブランドイメージの毀損にもつながる恐れがある、ということを報道対策をなりわいとしている立場から指摘させていただいているだけだ。
分かりやすいのが、日本テレビの「24時間テレビ」だ。
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