ストロー廃止はもう古い 昔ながらの「牛乳配達」モデルが注目されている:スタバもマックも(2/5 ページ)
プラスチック製ストローを廃止しようという動きが話題になった。世界中でストロー廃止の動きが注目されているが、いま米国発の新たなプラスチックゴミ対策が話題になっている。どんな対策かというと……。
陸にあるプラスチックゴミも
世界的にプラスチックゴミの対策は、どうなっているのか。例えば欧州では、プラスチック製ストロー以外でも法規制をさらに強化しようとする動きが出ている。というのも、ストロー廃止のきっかけとなった海洋汚染は、ストローを減らしただけではどうにもならないレベルに達しているからだ。
世界全体で、海に流れ込むプラスチックゴミは、年間800万〜1200万トンになると言われている。EU(欧州連合)によると、このままのペースで海洋汚染が続けば、50年までに魚よりもプラスチックゴミのほうが多くなってしまうという。
しかし、海を漂う800万トンものプラスチックゴミのうち、ストローが占める割合はわずか、0.025%という調査結果がある。つまり、世界中の都市で、プラスチック製ストローを廃止する動きが加速しても、問題解決には程遠い。
そのため、EUでは、海洋汚染の70%以上を占める「使い捨て」のプラスチック製品を21年以降、完全に廃止する法案が可決された。具体的には、プラスチック製の食器、綿棒や風船のスティック、ストローやマドラーなどが対象になっている。
一方で、そもそもプラスチックゴミの環境への影響は、何も海洋汚染だけではない。陸にあるプラスチックゴミをどう処分すべきかも課題になっている。
18年から、長年に渡り世界中のプラスチックゴミの受け皿となってきた中国が、使い捨てプラスチックの輸入を禁止したとして、大きなニュースになった。
中国が受け入れていたプラスチックゴミは、なんと世界全体の45%にもなる。今まで、プラスチックゴミの処理を中国頼みにしてきた国は、プラスチックの使用を改めて考え直す必要に迫られている。
実は、プラスチックゴミの埋め立ては、深刻な問題となっている。現在、世界全体でプラスチックゴミの約80%が、リサイクルされずに埋め立てられている。
このままの状態が続けば、50年までに約120億トンものプラスチックゴミが、ゴミ廃棄場や自然界に捨てられることになるという。
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