「ねるねるねるね」が再成長 “健康に悪い”イメージを払拭できたワケ:最大の“売り”が裏目に(2/4 ページ)
発売から30年以上経った今も、多くの子どもから親しまれるお菓子がある。これまで8億個以上も売り上げてきた「ねるねるねるね」だ。そんなねるねるねるねがいま、再成長を遂げてる
分かりにくいパッケージデザイン
ねるねるねるねの販売不振は長引いた。味や商品パッケージデザインのマイナーチェンジはそれまでも行っていたが、売り上げの増加にはつながらなかった。
「他ブランドのお菓子の売り上げでねるねるねるねの落ち込みをカバーできていたため、あまり深刻に捉えていなかった時期があったのも事実です」と宮迫係長は打ち明ける。
継続的に実施していた市場調査の結果を分析していくうちに、ねるねるねるねの再成長には商品のイメージを刷新することが不可欠だと確信。そこで、11年に商品パッケージを大幅リニューアルするに至ったという。
そこでまず見直したのが、「不思議」「怪しい」といった特徴を全面的に押し出したデザインだった。
子ども心をくすぐる見た目ではあるものの、派手な演出はたしかに不健康そうな印象を与えてしまう。これを、どんなお菓子が袋の中に入っているのか具体的にイメージしやすいように、ねるねるねるねの写真を使ったデザインに切り替えた。
カラフルな色使いを維持することで“従来のねるねるねるね”の面影を残しつつ、商品内容を的確に伝えることを心掛けたという。
保存料や合成着色料を使用していないことが、ひと目で分かるようにも工夫した。意外と言っては失礼かもしれないが、ねるねるねるねではこれらの添加物を使用していない。
これまでは小さな文字の説明書きを入れる控えめなアピールにとどまっていたが、より伝わりやすくするために、保存料・合成着色料を使っていないことを表すマークに変更した。
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