2015年7月27日以前の記事
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自動車メーカー各社の中国戦略池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/6 ページ)

いまや世界で1年間に販売される新車の3分の1近くが中国での販売となっている。魅力的なマーケットである一方で、中国というカントリーリスクも潜んでいる。今回は日本の自動車メーカーが中国にどんな対応を取るか、その戦略差を比べてみたい。

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中国の自動車マーケットが急成長した理由

 先週の記事で書いた通り、ホンダが英国工場の閉鎖を決め、欧州で販売するクルマは中国で作ることを発表した。

 中国は21世紀のスタートとともにモータリゼーションが本格的にスタートし、たった20年で現在のマーケット規模に到達した理由は、先行した各国が試行錯誤した結果を利用できることが大きい。真似がけしからんと言っても始まらない。そもそも自動車を発明したのはドイツだということになっている。

 さて、自動車は社会性の高いプロダクトだ。人命にかかわるし、地球環境にも負荷をかける。だから安全や環境といったさまざまな規制が必要で、野放しに作るわけにはいかない。中国の場合、それらを一から自国で作るのではなく、蜜月関係にあったフォルクスワーゲンとの関係を軸に、原則的に欧州に準じる規制を採用することでスピーディーに環境を整えることができた。

 ちなみに日本メーカーにとって影響の大きな日米欧中というマーケットを俯瞰(ふかん)したとき、規制の共通性という意味では欧州規制をほぼミラーリングした中国、米国の規制を参考にしながら発展してきた日本という構図になる。日米組と欧中組の2つに分かれるという理解でおおむね良いだろう。

 次世代マーケットとして注目されているインドは欧州規制を参考にしているようだが、現在少々頭を冷やし始めているところだ。これは後ほどスズキの戦略とともに解説しよう。

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