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タレントの薬物問題に、企業はどう対応すべきか:スピン経済の歩き方(5/7 ページ)
ピエール瀧さんの逮捕を受け、多種多様な企業がその対応に追われている。CMや広告はすべてお蔵入りになったわけだが、役者やアーティストとして関わっている作品まで自粛すべきなのか。この問題に対して、筆者の窪田氏は……。
日本の危機管理は、前例主義
不祥事を起こした企業や芸能人が、同じような謝罪の言葉を口にして、同じような所作で、同じようなスタイルでカメラの前で頭を下げることからも分かるように、日本の危機管理は基本、前例主義である。
大企業などがやって、世間から叩かれなかった対応を成功事例として、後の企業が踏襲することが繰り返されてきた。
こういう前例に引きずられるカルチャーがある国で、勝さんの「パンツ事件」は連日のように繰り返し報道された。これがその後にどのようなトレンドを生み出すのか想像していただきたい。
薬で逮捕された芸能人が関わったのなら、CMだろうがドラマだろうが、なんであれ葬らなくてはいけない。そして、その金銭的な損失は、すべて逮捕されて関係各位に迷惑をかけた芸能人が負うべきである――。
そんな考え方が前例として定着するのではないか。
もちろん、これらはすべて筆者の想像に過ぎない。ただ、一つだけはっきりと断言できるのは、今回の瀧さんのケースのように、出演作や楽曲までが「自粛」させられるのは、この20年くらいで日本社会に定着してきた比較的新しい考え方だということである。
だったら、今とは別の前例ができれば、思いのほかサクッと変わるかもしれないのだ。
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