「あなたの強みは何か?」に、どう答えるか:的確に表現すること(2/4 ページ)
ドラッカーが盛んに強調したように、個人にとっても組織にとっても、「強み」は非常に重要である。では、あなたの強みは何か? と聞かれて、どのように答えればいいのか。
では、強みとはどのようなものだろうか。
第一に、差異化されている必要がある。強みは、それが珍しいほど価値が高い。多くの人と同じような分野の知識・技術で、それが多くの人と同じようなレベルであっては強みとは言えない。同じ分野であるなら、その量が違わなければならない。例えば、普通の人のその分野の知識量が10なら、自分は20にすることだ。多くの人が知らない分野の知識を身に付けるという発想も大切になる。量で差をつけるのではなく、質を変えるというアプローチである。
ついつい、皆が知っていることを知ろう、皆ができることをできるようになろうと考えがちだが、それは強みを作るという発想ではない。独自の製品を作ろうと考えるとき、「他社より安く、他社より小さく、他社より機能を豊富に」といった量で勝負する視点と、「他社商品とは異なる意味やストーリーやデザインを」と質を変える視点があるが、これと同様、自らの差異化を図ることである。
第二に、強みは原則化・抽象化されている必要がある。例えば、「営業経験が豊富」「総務部長を3年間務めた」「社長賞を3回獲得した」「新サービスを立ち上げた」などは、具体的な事実であり、強みを表現したことにはならない。強みは、それを使えば何度も成果が出せるという再現性と、それは他の分野にも使えるという汎用性が求められる。
したがって、成果や経験そのものではなく、それらの原動力となったこと、それらの結果として得られたことを表現しなければならない。キャリアをていねいに振り返り、自分ならではの能力や姿勢やスキルや知識やマインドなどを記述することだ。
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