コラム
自律と他律を超えていく「合律的」働き方:他律は悪か(3/3 ページ)
自律(正)×他律(反)→合律(合)の進化は、観点を変えれば、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)のダイナミズムといってもいいでしょう。あなたが所属する事業組織には、個と組織の「合律的」ダイナミズムが健全に起こっているでしょうか。
個々が合律的に振る舞う組織は変化に強い
事業組織はつねに環境の変化にさらされていて、その環境適応・環境創造のために、新しいやり方を不断に生み出していかねばなりません。そんななか、一人一人の従業員が、まずは自律的な存在となり、自分の意見を押し出していくたくましさを持つことが求められます。しかし、上でみてきたように、自律が悪い面で過剰になると「俺様流」「自己中心的」「我流」の判断・行動が生まれ、害も生じてきます。
「よい自律」とは、自己中心的に「我」を通すことではありません。オープンマインドで「他律」を受容しつつ、自分の考えをぶつけていくこと。向かう先は「合律」、すなわち両者にとってよりよい律の創出です。
自律した個と組織の協働によって、常に進化した律が生み出される状態を保持できるなら、その組織はしなやかに変化対応ができ、進化していきます。
この自律(正)×他律(反)→合律(合)の進化は、観点を変えれば、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)のダイナミズムといってもいいでしょう。あなたが所属する事業組織には、個と組織の「合律的」ダイナミズムが健全に起こっているでしょうか。(村山 昇)
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