インタビュー
ネットに接続できなくても、カシオの電子辞書が売れている秘密:水曜インタビュー劇場(客の声公演)(1/6 ページ)
国内の電子辞書は苦戦しているのに、長年にわたって売れ続けている商品がある。カシオ計算機のエクスワードだ。スマホがあれば英単語などの意味を調べることができるのに、なぜカシオの電子辞書は売れているのか。その秘密を聞いたところ……。
「電子辞書」と聞いて、どんなことを想像しますか?
このように聞かれて、「学生のころはよく使っていたなあ。社会人になって、全く使わなくなったよ」「スマホで調べることができるので、今の時代に不要でしょ」と感じた人もいるのでは。
電子辞書の国内マーケットを見ると、2007年に281万台の463億円(売上高)に達していたが、その10年後の17年には101万台の176億円に。ほぼ右肩下がりの市場を見て、「ほら、やっぱり。令和の時代に、英単語の意味を調べるだけのモノなんてオワコンだよ」と思われたかもしれないが、そんな中でも長期間にわたって売れている商品がある。カシオ計算機のエクスワードだ。
1990年代半ば、大手メーカーが激しいバトルを繰り広げている中、カシオは後発組として、この市場に参入する。96年に1号機を投入したものの、期待するほど売れなかった。しかし、その後はじわじわと売れていき、18年の国内シェアは61.1%である(BCN調べ)。
カシオの電子辞書はネットにもつながらないのに、なぜ売れ続けているのか。ロングセラーの秘密について、同社で電子辞書を担当している上田奈美子さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
関連記事
- “売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのか
魚のサイズが小さかったり、見た目が悪かったり――。さまざまな理由で市場に出荷されない「未利用魚」を積極的に仕入れ、宅配寿司のネタにしているところがある。しかも、20年も売れ続けていて……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 「現金お断りの店」は、その後どうなったのか? ロイヤルHDの実験
1年ほど前、東京の日本橋に「現金お断り」のレストランが登場した。ロイヤルホストを運営するロイヤルHDが運営しているわけだが、キャッシュレスにしてどんなことが分かってきたのか。メリットとデメリットを聞いたところ……。 - えっ、盗まれないの? 無人の古本屋は、なぜ営業を続けられるのか
東京の三鷹駅から徒歩15分ほどのところに、無人の古本屋がある。広さ2坪のところに、500冊ほどの本が並んでいるだけ。「誰もいなかったら、本が盗まれるのでは?」と思われたかもしれないが、実際はどうなのか。オーナーに話を聞いたところ……。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - なぜ「小僧寿し」は危機に陥ったのか 犯人は“昭和のビジネスモデル”
「小僧寿し」が債務超過に陥った。苦境の背景に「持ち帰り寿司の限界」とか「多角経営が裏目に」といった声が出ているが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は違う見方をしていて……。 - なぜ「翔んで埼玉」はセーフで、「ちょうどいいブス」はアウトなのか
「自虐」を前面に押し出すことで、世間の関心を集める「自虐マーケティング」が盛り上がっている。「じゃあ、ウチもさっそくやってみよう」と思いたったマーケティング担当者がいるかもしれないが、気をつけていただきたいことがある。それは「地雷」があることだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.