英国では1億超の非課税枠 つみたてNISAの恒久化目指す 金融庁遠藤長官(3/3 ページ)
金融庁主催の投資家向けイベント「つみたてNISAフェスティバル 2019」に登壇した金融庁の遠藤俊英長官が「つみたてNISA」の拡大に意欲。また運用型保険商品の透明性や、決済など機能別規制のあり方について話した。
業態別規制から、機能別の規制へ
問 預金業務や送金業務、決済業務も、今後のテクノロジーの進化や金融サービスの多様化を鑑みると、もっと柔軟にいろいろな選択肢が顧客にあってもいい?
遠藤長官 銀行、証券会社という言葉を使うのはいまの制度。銀行は銀行法、証券会社は金融商品取引法という、業態別の縦割の法律を作っている。IT企業などから、決済だったら決済の部分だけ、もっと早く、もっと安いサービスを提供しますよというのが今出てきている。利用者の安全性を考えると、最低限の規制は必要になる。サービスを提供する人に等しく提供されるような、横串で適用する、最低限の規制を作らなければいけない。
縦割りの業態別の規制から、機能別の横串を指した規制に、いまの金融行政は動いている。
問 銀行の中にコンビニは作れない。しかしコンビニの中に銀行は作れている。既存の金融機関の規制緩和も同時に考えていくのか?
遠藤長官 「一般事業会社は銀行ができる。なぜ銀行はコンビニが経営できないんですか」とよく銀行から言われる。伝統的には、銀行は経済における位置付けが大きくて、銀行が一般産業を支配することがあり得るという危惧がある。また一般事業を行うリスクが金融業に跳ね返って、金融機関が破綻すると大変だ。両方の考えから、そこに壁を作った。
いまの時代の変遷に合わせて抜本的に考えなくてはいけない。銀行からするとステップバイステップだと思うかもしれないが、かなり規制緩和は進めていて、いままで認められなかった事業、ビジネスを銀行にも認めるように進めている。
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