銭湯不況時代なのに、なぜ「あけぼの湯」に人は集まるのか:東京最古の銭湯(1/4 ページ)
東京都内から銭湯が消えつつある。そんな “銭湯不況時代”でも流行る「あけぼの湯」の魅力とは。あけぼの湯の運営を担う嶋田照夫さんに話を聞いた。
東京都内から銭湯が消えつつある。東京都が発表する都内の公衆浴場(銭湯)の統計データを見ると、2005年に1025軒あった銭湯は17年には562軒にまで減少している。
その要因について「自家風呂保有者の増加に伴う公衆浴場利用者の減少などにより転廃業が続出し、著しく(銭湯が)減少してきている」(東京都)と分析。銭湯を「都民の健康と衛生を守る重要な施設」として位置付けてはいるものの、経営を続けるのは難しいようだ。
そんな中、都営地下鉄船堀駅(東京都江戸川区)近くにある銭湯「あけぼの湯」には、毎日客足が絶えない。多い時には平日に300人、休日には500人が訪れるという。なぜ銭湯不況の時代にもかかわらず、あけぼの湯には人が集まるのか。あけぼの湯の運営を担う嶋田照夫さんに話を聞いた。
創業は1773年
あけぼの湯は江戸時代(創業1773年)から240年以上も続く老舗の銭湯だ。創業当時は交通の要だった江戸川区を流れる新川の川沿いで営業していたが、人の流れの移り変わりとともに1953年に現在の場所に引っ越してきた。
1階には大浴場や露天風呂、2階には岩盤泉やマッサージ風呂、牛乳風酵素風呂など計12種類ものお風呂がある。サウナも通常のものとスチームサウナの2種類があり、設備は非常に充実している。
「いろんな種類のお風呂を楽しめるだけではなくて、あけぼの湯では全てのお風呂に無色透明の天然温泉を使っています。都内で無色透明の天然温泉を楽しめる銭湯は、かなり珍しいと思いますよ」と、嶋田さんはあけぼの湯の魅力を語る。
関連記事
- 人手不足は本当に「悪」なのか 騙され続ける日本人
人手不足が原因で倒産する企業が増えているようだ。東京商工リサーチのデータをみると、前年度から28.6%も増えて、過去最高を更新している。数字をみると、「人手不足=悪」のように感じるが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は違う見方をしていて……。 - 衰退している熱海になぜ観光客が増えているのか
いま熱海に観光客が戻り始めている。一時はピーク時の半数まで観光客数が減少していたという。行政としてどのような取り組みをしてきたのか、熱海市の齊藤栄市長に話を聞いた。 - 創業1781年! 最古の駄菓子屋を支えるパワフルなおばあちゃん
副都心線・雑司が谷駅の近くにある鬼子母神堂の境内に小さな駄菓子屋がある。創業1781年、東京で最も古い駄菓子屋とも言われている「上川口屋」だ。駄菓子屋を1人で手際よく切り盛りする、パワフルな店主・内山雅代さん(78歳)の姿がそこにはあった。 - 駅で見かける“青い看板” 靴修理職人が極める「おもてなし術」の秘密
駅で見かける修理サービス専門店「ミスターミニット」。来店客の要望に応じた修理をスピーディーに手掛ける職人たちは、どのように技術を身に付けているのか。店舗に行って話を聞いた。 - 日本は給料の低い微妙な国になる、これだけの理由
働き方改革が叫ばれながらも、日本企業の生産性はなかなか上がらない。今後の成長が危ぶまれるポスト平成時代、私たちはどのように働けばいいのだろうか。社会学者の古市憲寿氏と、元2ちゃんねる管理人のひろゆき氏に、これからの「働き方」について語ってもらった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.