「角ハイボール」は酒の世界を変えたのか:恐るべし(2/4 ページ)
完全にひとつのジャンルを築いた感があり、ジャンルというか、銘柄というか、メニューのひとしなというか、ひと言では片づけられないところまできた感すらある。 もはやスタンダードともいえる「角ハイボール」状態だ。
酒類の内容はどう変化しているのだろう。
平成元年と現在では、その構成は大きく変わっている。清酒とビールが大きく減少し、焼酎やワインは増えている。そしてウイスキーが大きく増えていると思いきや、実はそうでもない。平成元年ごろ、まだバブルの好景気が残るころ、おやじたちは、ウイスキーをがぶがぶ飲んでいたこともあり、ここ数年伸びてはいるものの、平成元年あたりの売上と比べると大きく下がったままだ。大きく増えているのはリキュールで、チューハイや類似ビールの登場が大きいが、実は角ハイボールなどの缶ハイボールはここに含まれる。
「濃いめ」(角ハイボール)はウイスキー分類のようだが、残念ながら、角ハイボールはウイスキーではない。レモンスピリッツなどが加えられており、もはやチューハイという感じか。
角ハイボールはウイスキーとは思えない現象はいくつかある。
昔のハイボールに比べると薄くてとてもライトだ。なんせ、居酒屋ではジョッキで飲むのだから。(最初に見たときは驚いた)
最初に紹介した会話にあるように、「ハイボール」という種類のお酒がある(と思っている人がいる、そしてウイスキーの銘柄は知らない(というか関係ない)人も多い。
スーパーに行くと、原酒不足と騒いでいるのに、1000円前後の国産ウイスキーが所せましとならんでいる。(あれは原酒を使っていないウイスキーなのか?)
さらにペットボトルに入った4リットルの角ウイスキーも売っている。ブラックニッカやその他のものもある。(あれを家で飲むのか?)
銘柄については、「マッサン」のおかげで「余市」は知っているが、「宮城狭」は知らない。
「白州はないのかあー」と言いながら、「知多」を飲む。(これはグレーンだ!)
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