「テスラModel 3」日本上陸 スマホ的自動車は何をもたらすか?:普及価格帯の勝算(1/7 ページ)
電気自動車メーカーのテスラが国内のサポート体制を強化する。国内で4カ所目となるサービス拠点を東京東雲に開設し、夏から秋という普及価格帯のModel 3の販売に備える。まさに動くスマホとでもいえるModel 3の様子も紹介する。
電気自動車の雄であるとともに、自動運転でも注目を浴びるテスラ。その普及価格帯となる新型車「Model 3」が日本でも納車間近だ。5月10日に、国内で4カ所目となるサービス拠点を東京東雲に開設した。
「24時間ネットにつながっている。故障があればネット経由で診断し、サービスカーが向かうが、それで修理完了しない場合はこのサービス拠点を使う」(テスラジャパンの前田謙一郎シニアマーケティングマネージャー)
このサービス拠点「テスラサービスセンター 東京ベイ」には、同社の急速充電設備「テスラスーパーチャージャー」も併設する予定だ。同地区は高速道路からのアクセスもよく、テスラユーザーの多い港区からのアクセスも良いため、優れた立地となる。
現在のテスラ車は、大型セダンタイプのModel S(933万円〜)とSUVタイプのModel X(995万円〜)。そのため港区や世田谷区の富裕層が多い。年齢は35〜60歳くらいで「若くてお金がある人は、テスラに目を向けてくれる人が多い」(前田氏)という。
小型セダン Model 3は夏から秋に納車見込み
テスラといえば「高級車ブランド」想像するかもしれないが、電気自動車メーカーとしての成否を握るのが、価格を抑えた小型セダンのModel 3だ。ラインアップの中で最も安価なモデルは3万9500ドル(約438万円)で、普及価格帯として拡販を目指す。
2016年3月の発表当初から、15万円のデポジット付きで予約を受け付けてきた。すでに3年以上が経過しているが、生産は徐々に軌道に乗りつつあり、国内でも右ハンドルモデルが間もなく納車となる見込みだ。タイミングは夏から秋。予約順に注文が可能になり、スペックやオプションなどをWebサイトで入力すると製造、輸送に入る。
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