「夫婦観」をアップデートせよ――添い遂げる美徳より、今ベストを尽くすこと:人生100年時代の「結婚」とは(3/5 ページ)
今、われわれは「夫婦観」をあらためて問い直し、アップデートすべき過渡期にいる。公私ともにパートナーとして人生を歩むCRAZYの二人への取材を通して、これからの時代における「夫婦観」を考えたい。
夫婦間の衝突=関係性をアップデートする機会
――「結婚しなくても幸せになれる時代」とも言われていますが、実感としてはいかがですか?
森山: 「夫婦にならなくてもいいよね」って空気は、必然として出てきていますよね。人生の選択肢が増えるのはいいことです。だけど、「結婚なんて意味がない」みたいに、結婚したい二人まで解こうとする論調は、変に勘違いしてしまう人を増やしてしまうだけ。今の時代に「パートナー」ってなんなのか、考えたうえで結婚するかしないか、決断したほうがいいと思いますね。
山川: 私はそれって自由の弊害だと思っていて。フリーランスにもお一人さまにも適性がある。それをすっ飛ばして、「やっぱり自由がいいよね」っていう議論が先に起こってしまっているのが問題。数ある選択肢の中から、自分で考えて選んで、人生をデザインして、責任を持って生きていくことが大事。それを考えずに社会の論調に流されちゃうのは大きな損失です。結婚することの良さもありますからね。
――二人が感じる結婚の良さってどういうところにあるんでしょうか?
山川 自分を拡張していけるところかな。人間にとって「変化し続ける」って大事なことだと思うんですよ。結婚ってある意味、自分が理解できない生物とともに生きると決めること。当然いろんな感情や不都合が生じるわけで、それに対処していくためには自分を拡張していかなければいけない。子どもが生まれれば、また新しい夫婦関係を構築していく必要もあるわけで。
山川: 樹木希林さんって、どんなに大変な旦那でも絶対離婚しないって決めていたと言われますが、私もそうで。森ちゃんは優しいし、頭良いし、本質的に変化することを選び続けられる、向上していける人間だから、たとえぶつかっても、それは私たちにとって必要な、自分自身の拡張や関係性のアップデートのタイミングなんだって思えるんです。
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