製造業の「調達」を変えたサービスが、3000社以上から注目されているワケ:水曜インタビュー劇場(課題公演)(1/5 ページ)
世の中にはさまざまな課題があるが、製造業の調達に目をつけて、売り上げを伸ばしている企業がある。2017年11月に創業した「キャディ」だ。受発注プラットフォームをローンチしたところ、利用者は右肩上がり。どんなサービスかというと……。
日本の製造業の市場は180兆円――。この数字を見ると、「どうだーっ! これがニッポンの底力だ!」と胸熱の人もいるだろうが、昔ながらの非効率な商慣習が残っていることをご存じだろうか。「調達」である。
製造業の一般的な流れは、設計→調達→製造→販売である。設計はCADなどが活用され、製造はロボット化が進み、販売はビッグデータなどが導入されている。テクノロジーがどんどん導入されているなかで、調達はどうなっているのか。人力である。
発注側の調達担当者は1日に数百枚の図面をさばき、複数社に見積もりを出し、価格交渉をしなければいけない。一方の町工場は、受注できるかどうか分からないのに見積もり業務をせっせと行う。「必死に見積もりを出しても、仕事につながるのは2〜3割ほど」といった不満の声があるなかで、業界の“当たり前”を変えるかもしれないサービスが登場した。「CADDi」(運営:キャディ)である。
CADDiとは、板金加工の発注側と町工場をテクノロジーでつなげる、といったサービスである。独自に開発した原価計算アルゴリズムを使っていて、品質・納期・価格が最適な会社にマッチされる。見積もりから発注まで、一般的に数日から数週間かかるといわれているが、CADDiを使えばなんと「7秒」で完了するのだ。
このような話を聞くと、発注業務などに携わったことがない人でも「便利そうだなあ」と思われたかもしれないが、社内に営業担当者はいない。にもかかわらず、利用者がどんどん増えているのだ。2017年11月に創業し、提携している町工場は110社を超え、クライアントは3000社以上を獲得している。
これまでになかった受発注プラットフォームは、なぜ人気を集めたのか。また、どのような強みがあるのか。マッキンゼーでコンサルタントとして活躍していた、キャディの加藤勇志郎社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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