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絶体絶命のファーウェイ、「伝説の創業者」のDNAに見る“それでも強気な理由”【前編】いかにして「苦境」を乗り越えてきたか(5/5 ページ)

米国の制裁に揺れる中国通信機器・端末大手のファーウェイ。絶体絶命の窮地に追い込まれたかに見える一方、創業者の任正非(じん せいひ)を筆頭にファーウェイ関係者は強気な姿勢を崩さない。

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「マットレス文化」根付かせた非凡なモチベーター

 軍の指揮官という経歴も影響しているのだろうか。任正非はモチベーターとして非凡な才能を持っていた。若き開発者たちに権限と仕事を与え、ハードワークするよう叱咤激励した。才能を発揮する機会を得た人材たちは水を得た魚のように必死に働いていく。社内の活気を表す言葉として、「マットレス文化」なる言葉が残されている。

 新入社員には薄いマットレスが配られ、オフィスで仮眠を取ってしのいだことを意味する。当時の中国では定時きっかりの退社は当たり前、なんなら定時前に帰宅してしまうことすら当然という世界だったのだから、ファーウェイの環境が特殊だったことは明らかだ。

 ブラックな仕事環境にも思えるが、入社するやすぐに責任ある仕事を任せられて腕を振るうことができ、給料も年々上がっていくのだから、若者たちに大きな不満はない。社内は活気にあふれていた。

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広東省東莞市に建設されたファーウェイの新キャンパス。ヨーロッパの城をモチーフにしたデザイン。2018年4月、筆者撮影。

著者プロフィール

高口康太(たかぐち こうた)

ジャーナリスト、翻訳家。 1976年生まれ。中国経済・企業、中国企業の日本進出と在日中国人社会をテーマに取材を続けている。現地取材を徹底し、中国国内の文脈を日本に伝えることに定評がある。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)。ニュースサイト「KINBRICKS NOW」、個人ブログ「高口康太のチャイナ・ウォッチング」を運営。


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