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「ハイボール 1杯50円」で、どうやって儲けているのか 鶏ヤローのカラクリ水曜インタビュー劇場(激安公演)(2/5 ページ)

首都圏の繁華街を歩いていると、「角ハイボール 50円」と書かれた看板を目にするようになった。激安の雰囲気が漂うこの店は、どのような特徴があるのか。運営会社の社長さんに話を聞いたところ……。

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正直、店の名前はどうでもいい

土肥: 鶏ヤローの売り上げが好調のようですね。「鶏ヤロー」と聞いてピンとこなくても、「角ハイボール 50円」と言うと、「ああ、あれね。オレも利用したことがあるよ」とか「看板を見たことがあるよ」といった人が多いかもしれません。

和田: 多くのお客さんは、ウチの店のことを「あのハイボールの店」っていうんですよね。私の立場で言うのもなんですが、店の名前はどうでもいい。キラーメニューをお客さんに覚えてもらうことが大切だと思っているんです。

土肥: 店のメニューを見ると、ドリンクがとにかく安いですよね。サワー・カクテル・焼酎なども99円、飲み放題付きプランは3時間で2000円。そもそもどういったきっかけで、このような業態の店をオープンすることになったのでしょうか?


どういったきっかけで「ハイボール50円」の店が生まれたのか。写真は鶏ヤローの店内

和田: 学校を卒業して、私は焼肉店で働いていました。そこで店長やマネージャーなどを務めて、27歳で独立することに。1店目も2店目も焼肉店をオープンしたのですが、うまくいくときもあればうまくいかないときも。一進一退を繰り返して、「それゆけ! 鮭ヤロー!」(以下、鮭ヤロー)という店を出店しました。

 千葉県市川市の本八幡というところにオープンしたものの、売り上げが低迷していました。このままではいけないということで、料金を安くしたんですよね。30分飲み放題で299円、料理も299円、宴会コースは2999円といった感じで、客単価2000円の市場に参入しました。すると、たくさんのお客さんに来店していただきました。

 とはいえ、ゼロからのスタートではなかったんですよね。どういう意味かというと、焼肉店で600万円ほどの借金を抱えて、さらに従業員に300万円ほど持ち逃げされまして。身から出た錆(さび)のような感じで、資金繰りは火のクルマのような状況でした。

 そんな悶々とした日々を送っていたときに、ある人から「居酒屋をやってみないか?」という話をいただきました。業務委託のような形で、やってみることになったのですが、どのような業態がいいのか。鮭ヤローがまずまずの結果を残していたので、客単価2000円市場で戦っていけるのではないかと思ったんですよね。

 先ほども申し上げましたが、鮭ヤローは30分飲み放題で299円――。「飲み放題」だとどうしても、たくさん飲まなければいけないといった意識になるので、単品にしてはどうかと考えました。客単価は2000円に設定して、ハイボールは50円、そのほかのドリンクは99円でやっていけると思ったので、その価格で勝負することにしました。

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